第6話 ネタバレ
「近寄らないでぇぇ!!」と追いかけるカイロスにバレリーは叫ぶ。
そういえば私・・・この2日間ほとんど眠れず食事も喉を通らなかった。さらには今日は遠い道のりを馬車に揺られて心理戦があったり、この家の最重要人物たちにも会ってしまった。もう限界と倒れてしまうバレリー。
「・・・わった・・・ね・・・」
「終わった?」
意識のないバレリーを横抱きで運ぶカイロス。屋敷の使用人は公爵様が・・・お姫様抱っこ?と驚いていた。
「ボッ・・・ボルシェイク様?」
驚く執事のセバスチャンにカイロスは「転んで気を失ったんだ部屋に連れて行く」と話す。セレニアには「用があるなら後で話そう」と声をかけた。
「・・・ただ一緒に夕食をどうかと思っただけよ。婚約者と一緒だって知らなかったの失礼なことをしてごめんなさいね」
「気にするな・・・だが今夜・・・少し時間を作ってくれないか?」
「!」
「もちろんよ!彼女にもお食事の邪魔をして申し訳なかったと伝えてね」
カイロスが執事と医者を連れて部屋までバレリーを連れて行く。部屋で待っていた専属メイドのエイミーは「どうしてお嬢様が倒れるなんて・・・!」と心配する。「様子はどうだ?」と確認するカイロスに「今のところは呼吸も脈拍も正常です。詳しい診察は目が覚めてからできると思いますが疲れがかなりたまっているようです」と医者は言う。
「・・・金縛りにでもあったみたいにすごい冷や汗だな」とカイロスは眠るバレリーに触れた。
この雰囲気は何だ・・・?と思う使用人たち。カイロスからバレリーの嫌いな食べ物があるか尋ねられ、ありませんと答えるエイミー。エイミーの返答に顔を真っ青にして飛び出したのは食事のせいではなかったのか・・・とカイロスは思った。
私に触らないで!と叫ぶバレリーを思い出す。
(僕を見て逃げ出したのか?どうして?)
「しかし何でも食べる人にしてはちゃんと食事をしてなかったようだな。よい食事生活は幸せな毎日に欠かせないのに」
「幸せ・・・ですか?」カイロスに聞き返すエイミー。
娘が幸せでなかったら黙って婚約を解消していただきたいと話したバレリーの父の言葉を思い出す。
(まさか公爵様・・・お嬢様を幸せにして差し上げようと悩んでいらっしゃるのかしら?)
「では僕はこれで他に彼女に必要なものはあるか?」
「本です!お嬢様は本がとてもお好きです!」エイミーの言葉を聞いたセバスチャンは「すぐ東館に図書館を準備いたします!」とカイロスに言う。
医者も「ドクター令嬢のことをよろしく頼む」とカイロスから言われ慌てて「はっはい!命をかけて診療いたします!!」と答えた。
(そういうことだったのね~出迎えにも来ないから冷たくあしらわれるのではないかと心配してたけど心配しなくてよさそうですよお嬢様!!)
「セバスチャン様、私にもチャンスがやってきました」
「何のことだ?」
「誰一人風邪すら引かないこの家で私の存在理由を証明できるチャンスです!さあボルシェイク様 専属のメイドたち!この薬を食事に忘れずに服用していただくように!」
「こんなにたくさんですか?」
「ただ飲むのではなく適量を溶かして・・・いや実際にみせよう配合方法と過程もとても複雑だから今夜は君たち二人とも私の部屋に来てその方法を覚えなさい」と医者は話し部屋を出て行く。
「お嬢様ゆっくりお休みくださいね」とエイミーもみんなの後に続いて部屋を出ていった。
夜更けに黒髪の男が屋敷をフラフラと歩いていた。その男は「あ~疲れたぁ~」と言い、眠るバレリーのベッドに入ってくる。
「いい枕だな~」と男は抱きしめた。
第6話 感想
バレリーの妄想はただの被害妄想だったのかな・・・?でも、それにしてはセレニアに意味深なことも言っていたし?
ま~それよりも最後の出来事が気になりますね。あの男は誰なのか?一瞬セレニアにも似ているようなとも思ってしまい・・・実はセレニア男説が私の頭の中にありましたwww