第9話 ネタバレ
「無慈悲な資本主義・・・どこにも行けずここに閉じ込められて死ぬんだ・・・」
「チクショー!!アシュルーのせいで無一文になっちまったじゃねーか!!クエストのためにどんだけ金を使ったと思ってんだしかも転職してレベルマイナス3になるわ・・・!!」
巧はレベルに合った街にも金がなく行けず頭を抱えていた。
(転職?そうだ!俺はファグマの末裔になったんだよな?アイテムを作れば金儲けもレベルアップもできるじゃないか!希望が見えたぞ!)
「やばいものが出るかもしれないから人目に付かないようにしてっと、まずは〈鍛冶職人の匠〉だから・・・製作アイテムの能力値が全ての等級からプラス10%・・・アイテムを作れば俺のステータスと名声もアップするし・・・」
レア製作:全ステータス+2/名声+30
エピック製作:全ステータス+4/名声+80
ユニーク製作:全ステータス+12/名声+300
レジェンダリー製作:全ステータス+25/名声+1000
「すでに『匠』はマスター済み『伝説』もレベル1の状態からスタートか。鍛冶職人ランクの一位でも中級だってのに・・・すごいことになってんな!」
「何よりすごいのは製作方法を直接作ることができるこの〈創造〉!!とんでもないものができそうだ!3回もできるしとりあえず1回やってみるか?」
(エピック職業であのレベルならレジェンダリーはもっとすごいのだって作れるってわけだろ!?)
〈伝説の鍛冶職人の創造〉
スキルを使用しますどのようなアイテムを創造しますか?
「ハントもレベルアップもこなせる『大剣』しかないだろ!」
どのような材料を使用しますか?
「材料・・・?そりゃもちろん強い・・・そうだ!さっき聞いた『青いオリハルコン』!」
設計図を描いた後武器の特徴を入力してください
「ん?直接描くのか?巨大で強力!そう・・・まるでサメみたいな!ズッシリと重いのに軽くて暗いのに光り輝く!攻撃力は・・・1千万以上!攻撃の度にメテオが落ちてくる!相手の防御力も無視して一発で倒せる!」
極度の興奮状態の巧は夢中で設計図を描き、ついに完成した。かっけー・・・!本当にサメみたいだ!イワシにも見えるけど!と自己満足する。
自動補正をスタートします性能とオプションは材料及び設計内容を総合して補正されます
「え?自己補正?やっぱ設計に無理があり過ぎたか?何かいろいろ表示されるけど全然分かんねーな・・・」
ん・・・?何だ・・・?
自己補正が完了しました
(急に全ての情報が理解できるようになったぞ!?
設計図を作るのは初めてなのに・・・職業効果か?これじゃまるで・・・本物の鍛冶職人みたいじゃないか!!)
「耐久1090に攻撃力1820防御80!素早さ+50!やべえええ!!テキトーに入れた設定は調整されてるけど追加オプションも多いしマジですげえじゃんか!!これで〈森の守護者〉パーティーで『青いオリハルコン・・・』」
「・・・・・・」
「ちょっと待て・・・何なんだこの地獄みてーな使用条件は!?ランク1位のやつでさえレベル250がやっとだぞ!?」
全てのステータスを筋力に振っても5000なんて到底足りないし・・・上級ソードマスタリー8レベル以上って・・・
貴重なスキルでクソみてーなアイテムを作っちまったサメ型の巨大で強力な・・・クソ
(俺は装備の装着に制限がないから・・・使えないこともないのか!今の装備もそうやって着用したものじゃないか!ペナルティがあったとしてもこの大剣がチートアイテムであることは確かだ!作り出すことさえできれば!)
よし!何としてでも〈森の守護者〉パーティーに入って・・・青いオリハルコだけ手に入れてさっさと逃げよう!
「え?パーティーに入りたい?お断りします」
「えっ?どうしてですか?」
「ここはレベル190後半のパーティーですよ?装備をみたところせいぜいレベル60ってとこでしょう?」
「ああ装備はショボいけどこう見えてもレベル100なんです実力に自信があるから装備には特にこだわってなくて」
「・・・俺たちがアイテムの力に頼ってると言いたいのかな?」
「え!?」
「グリードだっけ?雑魚のくせに喧嘩売ってんのか?どうせアイテムだけ手に入れてさっさと逃げるつもりなんだろ」
「レベル100だってどうみても嘘だろ性格まで悪いなんて救いようがねぇな」
お前の性格もなかなかだけどなと巧は思う。
「皆さんやめてください」
「レガスさん!」
「どうせボスモンスターはうちのギルドで相手するんですし他の仕事を任せればいいじゃないですか」
「うわツェダカギルドのレガスだ!はじめて見た」
「誰だ・・・?」
「武道家ランク1位!『拳聖』って呼ばれてるやつだよ。武道家は装備の制約がきつくてレベルアップが難しいのにレベル180まで上げたらしいぜ」
イケメンな上にランカーだと?やっぱ世の中不公平だよな・・・
「レガスさんは人が良すぎるんですどこの誰かも分からないユーザーをむやみに受け入れちゃダメですよ」
「でも人数が多い方がいいじゃないですか?周りのモンスターの相手なんかも任せられますし」
「はい!自信があります!」
こいつ・・・顔は気に入らねーがいい奴だぜ
「それはそうですが皆を説得できるか・・・」
おいおい偉大なるランカー様のお言葉だぞ!レガスもっと言ってやれ!
「それじゃ1対1で実力テストをしてみましょう!実力が証明できれば問題ないでしょう?」
・・・やべえ!!
「さっそく始めましょうか?」とレガスは腕慣らしをする。