第42話 ネタバレ
「こんにちは!ご無沙汰しております~!」
(?)
(レインがどうしてここに・・・?)
「ミエールお嬢様にプレゼントをお持ちしました」
「まあ!」
「お砂糖や蜂蜜がたくさん!お嬢様にピッタリのプレゼントですね~」
(どうしてまたミエールに構うのよ・・・?)
「あっ!アリアお嬢様の分もございます。お部屋までお持ちしますね」
「あ・・・ありがとうございます。(やけに大きい・・・)」
(アースは一体何を考えているのかしら?)
「用が済んだら出て行ってもらえるかしら?」
プレゼントを運んでくれた男が部屋の扉を閉めフードを外す。
「?」
「お久しぶりです。アリアお嬢様」
「アース様!?お久しぶりです・・・今日はどういったご用件で!?」
「まったく驚かれないんですね」
「いつも急に現れるので慣れました」
アリアは内心バクバクしていた。
「ハハッ慣れて頂けて光栄ですが毎度僕が会いに行く側なのが悲しいです」
「私に会いに来たんですか?」
「しばらくの間、集まりの場を設けることができなかったので・・・」
「まさか・・・それを口実にここまで来られたんですか?」
「はい」
「・・・本当にそれだけですか?」
「それが・・・」
(なにかあったのね!?)
「本当に会いにきただけです」
ニコッと笑顔で言う。
「あと、しっかりお食事とられているか心配で・・・」
「!」
「でもお砂糖はミエールに渡してましたよね?」
「・・・あっ、それもお嬢様に会うための口実です。みんなが見ている前で渡してしまったら分けることになるけれど、ここで渡せばほかの人にはバレないので問題ありません。
それにお嬢様と少しでも長く一緒にいたいのでこのような流れにしてみました」
(ミエールはどうでもいいってこと・・・?)
「そう・・・」
「まさか・・・嫉妬されているのですか?」
「ちょっと!勘違いしないでください!!以前、私だと勘違いしてミエールにプレゼントをたくさん渡していたから今日も間違えたのかと思って確認しただけよ」
「今日は間違えていません」
(アースがミエール側についたら私が困るのよ)
「今後そのようなミスが起こることは絶対にありません。ご心配なさらず」
「そこまでいうなら・・・」
コンコン
「アース様、時間です!」
レインが小声で呼びにきた。
「あっ、それではまた改めて連絡いたします。集まりで会いましょう」
「わかりました」
「ではまた・・・」
******
「ふぅ~」
(この私が嫉妬なんかするはずがないじゃない!)
ガチャ
「お茶をお持ちしました」
「それはベリーの仕事よね?」
「お砂糖入りの紅茶お好きですよね?ケーキももうすぐご用意できます」
「あら、ありがとう」
アリアはアースからのプレゼントを開けた。
「まあ、キレイ・・・ドレスに飾りまで!」
「う~ん」
(こういう柄のドレスは目立つから好きじゃない。私は清楚な雰囲気を出したいの。こんなの誰が着るのよ)
(まさか、今までの間違いを挽回しようとしてる?意外と可愛い部分もあるのね)
(でも今後は男を利用するのはやめようと思う。好かれたって無駄だもの)
「先生方には契約を切ることをお伝えしました。それとこちらは男爵からのお手紙です」
「あの若い事業家のこと?」
「はい!どの方もいいアイデアをたくさんお持ちで今後の活躍が期待できるそうです。ボブーン男爵にもお伝えはしましたがお嬢様に判断をお任せするそうです!」
「アニーそれはつまり・・・男爵と今日もいい感じだったってことね?」
「はいっ!私の積極的なアピールが効果があったみたいです。これは全部お嬢様のおかげです!」
「男爵はそういうタイプが好きだと思ってたのよ。いい感じに進んでるみたいで安心したわ」
「ほかの事業に投資したのも成功していますしお嬢様って本当になんでもできるんですね!さすがです!」
(そりゃ今後の展開がわかっているからね。私は過去にあった出来事を思い出して行動しているだけ。何一つすごくない)
そう考えながらもアースに言われた言葉を思い出し赤くなる。
「・・・・・・私いま・・・」
(私の周りにあるもの全てを利用する。そう、これは全部私のため・・・)
******
【手紙】
アリア、連絡が遅くなってごめんなさい。しばらく会えていませんね。侯爵とお待ちしています。ではまた。 サラ
サラから招待されアリアは侯爵の屋敷へ向かった。
「着きましたよ」
「変じゃない?」
「えっ?」
「私どこもおかしくない?」
「お嬢様はいつもお美しいですよ」
「よかった」
(ついに・・・この日がきた・・・!!)
「侯爵邸へようこそ、アリアお嬢様。 どうかされましたか?」
「いえ・・・大丈夫です」
(サラが迎えてくれると思ってた。まさか侯爵が外で待っていてくれるとは・・・)
「アリアお嬢様~お久しぶりです。今日が来るのを楽しみにしてました~!」
「私もです!」
(サラ~!!私の一番の投資先!)
******
「私のためにありがとうございます」
「喜んでいただけて光栄です。お嬢様は僕たちの恋のキューピットですから」
「あのハンカチはお嬢様とお揃いだから私にとって特別なのよ」
(そうじゃなくても2人はくっつく運命だったけど・・・)
「そんな~サラお嬢様の刺繍が素晴らしいからですよ」
「あれには本当に驚きました。とても美しいハンカチだったのでしばらく見入ってしまいましたよ」
「あのハンカチを一生懸命縫った時のことをおもい思い出してしまいました。お嬢様とお揃いで持てて私は本当に嬉しく思います。大好きなアリアお嬢様に日頃の感謝の気持ちを表したかったんです」
(サラ・・・)
「そして私のこの気持ちを理解してくれる素敵な方と出会えて本当に幸せです。あのハンカチを持っていなければこのような縁は結ばれなかったと思います。
なので私たちの出会いはアリアお嬢様のおかげなんです。本当にありがとうございますアリア」
(サラ・・・何もわかっていないのね。あなたは私に利用されているだけなのよ?本当に・・・ただそれだけ・・・)
「・・・・・・心から・・・お2人の幸せを願っています」
(本気で・・・サラの幸せを願っているみたい・・・)
第42話 感想
アリアは今のところ順調ですね。サラへの投資もうまくいきアースとの仲も順調みたいです。