第36話 ネタバレ
「お~!すっごく使用人っぽい!なんでも似合うのね?」
「本当に大丈夫でしょうか?」とハメルがオロオロする。
「心配ご無用です!こういうときのためにスパイメイドを忍び込ませておいたんです。忍び込むことになるとは思わなかったけど。今日レラジエが外出したらそのメイドに協力してもらって潜入しちゃちゃっとネックレスを盗んでくればオッケー!」とジンジャーは言う。
「はい・・・」
「こういうのはじめてなのでドキドキします。そうだ頼んでおいたブツは?」
「あっお申し付けの通り似せて作ってみました」
「うわ~本物と見分けがつかないですね!」
「ですがお話した通りよく見れば私のイニシャルが刻まれています。小さいのでよく見なければわからないはずです」
「完璧」
(これならすり替えたって気づかないはず)
「・・・悪役のような笑い方ですね」
「悪役?なってやるわよそれくらい私なんてあいつに婚約者を奪われたのよ?ハメルだってレラジエが陛下とくっつくのを見たくないでしょ?」
「ですが・・・こんなことをするのはよくない気がします。人の物をそれもレラジエ様のものを盗むなんて・・・」
「そんなこと言ってるとみんな小説通り不幸になるだけですよ?」
(イザナにネックレスを渡せばイザナがレラジエに会う理由がなくなるはず。手遅れになる前に急がないと)
「道徳心なんて今は忘れて行きますよ!」
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しばらくしてレラジエ宅
「レラジエ様は先ほど外出されました夜までお戻りにならないはずです。ここが使用人専用の通路ですお部屋まで案内したします」とスパイメイドが言う。
「ありがとう。あなたは念のため部屋の前で待ってて」
「はいジンジャー様」
パタッとジンジャーが扉を閉めた。
「大丈夫ですか?フゥ・・・こういうことははじめてですので緊張してしまいます」とハメルが言う。
「なら慣れるまで何度もやっちゃう?」とおどけるジンジャー。
「これを・・・何度も・・・ですか・・・?」
(冗談が通じない人ね・・・)
「冗談ですよ冗談ほら肩の力抜いて」
「・・・・・・」
「それじゃ早速ネックレスを探しに行きましょう」
「レ・・・レラジエ様!」と外で待っていたスパイメイドの慌てた声が聞こえてきた。
(えっ・・・?レラジエ!?出かけてからまだ十五分しか経ってないのにどうして!?)
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「レ・・・レラジエ様もうお戻りですか・・・?」
「忘れ物をしたのを思い出して。あなたここで何してるの?」
「あっ、お・・・お部屋の掃除が終わり出てきたところです。あ・・・あの・・・何をお・忘・れ・になったのですか!?」とジンジャーに聞こえるように大きな声でレラジエにメイドが尋ねた。
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「ど・・・どうしましょう」と尋ねるハメル。
(あのタンスしか隠れられる場所がない・・・)
「ま・・・まさかあのタンスの中に・・・?」
「無理ですよね・・・?」
「・・・・・・ですが他に方法がありません」
「ハメル・・・?」
ハメルはタンスの扉を開いて「ジンジャー様急いで」と手を差し出した。
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ガチャッ
「あのメイド急に大声を出すから驚いちゃったじゃない・・・」とレラジエが言いながら部屋に入ってきた。
(まさか・・・ここを開けられたりしないわよね?お願い・・・こっち来ないで!)
「うっ・・・」とハメルが声を出す。
(どうしよう・・・すごく辛そう。レラジエが出てってくれないとここから出られないのに大丈夫かな・・・がんばってハメル)
ジンジャーは苦しそうなハメルに寄り添った。
「・・・・・・」
(え・・・?)
ハメルがジンジャーを抱きしめてきた。
(あ・・・ダメ待っていくら怖くても近すぎるよ・・・うわっ!!う・・・動けない。でもどうして・・・こんな状況で胸がドキドキしちゃうの?私ってばどうかしてる・・・)
「おかしいわねここに置いておいたはずなのにどこにいったのかしら・・・・・・あら?・・・・・・」
レラジエがタンスの扉からはみ出たハメルの服を発見する。
第36話 感想
ネックレスのすり替えとか冷や冷やしそうですね。やはりバレそうになっていますが大丈夫なのかな・・・?