第32話 ネタバレ
「・・・・・・」
(また1日が始まった・・・)
「はぁ・・・」
目が覚めたアリアは昨日のできごとを思い出す。
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「オスカー様・・・どうか1人にしないでください・・・」
「お嬢様・・・」
「お願いだから・・・」
泣きながらオスカーの胸に抱きつくアリア
「お・・・お嬢様・・・?」
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(うわ~っ・・・あそこで気絶したの!?ウソでしょ・・・砂時計を使ったのは覚えてる・・・それだけで体力を奪われるのに泣いたから・・・?だとしても!あのタイミングじゃマズいでしょ~!
そもそもどうして行ったんだろう?あの状況からすると・・・私がオスカーに哀願してるみたいじゃない!!)
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【オスカーside】
オスカーは泣きながら気絶してしまったアリアを部屋のベッドまで運び終えると馬車で帰って行った。
「アリアお嬢様・・・可哀想に・・・こんなに広い家で誰も頼ることができずとても寂しい思いをしていたのですね・・・僕を信じてください。僕たちが家族になれば・・・お姉様もなにも言えなくなるでしょう。あなたにこれ以上悲しい思いはさせたくありません」
「いつか僕の気持ちが伝わりますように・・・」
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【アリアside】
(夜中にオスカーが・・・あぁ思い出せない!哀願した自分が恥ずかしいのか・・・倒れたことが恥ずかしいのか・・・もうわからない・・・)
「天気もいいので外出されますか?」
「今日はやめておくわ・・・」
「あ・・・お客様が・・・」
カーテンを開けたジェシーが言う。外から笑い声が聞こえた。
(ミエール・・・また友人を呼んで自慢でもするのかしら)
「お嬢様!いいニュースがありますよ!」とアニーは言う。
「いいニュース?」
「ミエールお嬢様がオスカー様とお戻りになられたときのことです!目が腫れていましたよね?」
「そうだったわね」
(それでもオスカーと来たことを自慢していた)
「それがパーティーに皇太子殿下が現れてミエールお嬢様に話しかけられたのだそうですよ!驚いて泣いたとか~?」
(皇太子が行くとは・・・ほんとうに公女と結婚するつもりなのね)
「それとやはりプレゼントは全てイシース公女が用意したものでした!」
「・・・・・・」
(そうか状況はなにも変わってないけどこれが公女の仕業なら・・・まだオスカーを逃したわけではないのかも。すべて公女が仕組んだことだから。公女の存在もあとから知ったしオスカーだって読めないから・・・
すべて私が原因だと思っていたけど違うようね。自分を疑ってしまってたわ。なんかスッキリした!今から始めれば大丈夫!)
「アニー!」
「お食事のご用意いたしますか?」
「シャワーを浴びたいわ!」
「わかりました」
(よしっ!気を取り直して頑張ろう!)
立ち上がったアリアを見たジェシーは
「お嬢様!身長が・・・!?」と驚く。
「ん?」
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「まぁ久しぶりに会いました。ずっと部屋に閉じこもっていられたので」
ミエールはアリアを見かけて言う。
ミエールの友人も「ずっとお部屋にいればいいのに~そのほうがお似合いよと笑う。
アリアは「外に出て気分転換しつつドレスを買おうと思って。背が伸びてサイズが合わなくなったの。年をとっても子供みたいに小柄な人って羨ましいわ~では失礼します」と言い返した。
「なによ・・・!礼儀のない人ね!」
ミエールの友人は自分の言ったことを棚に上げて話す。
「ほんとうに気にいらないわ」
ボソッとミエールは言う。
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(砂時計を使うと長時間睡眠をとることになるけれど使うたびに成長している気がする・・・時間を動かしているから寿命ともなにか関係しているのかも。気をつけなきゃ。ほんとうに必要な時だけ使うことにしよう)
「サイズが・・・ほとんど合いませんでしたよね?」と馬車の中でアニーが話し「ですね・・・」とジェシーはこたえる。
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店に着くとアリアは言う。「この子たちにも買ってあげるからぜんぶ見せてもらえる?」
服を選び終えたアリアは「どこか寄っていく?」と尋ねた。「では・・・フラワーマウンテンに行きませんか!」とアニーが言う。
テーブルにズラーンと並ぶスウィーツに「わ~!ずっと来たかったんです!」とアニーは目を輝かせる。
「好きなだけ食べていいわ」
(貴族しか来ることのない高級カフェなのに詳しいのね・・・ちょうどよかったわ)
「お嬢様、新聞を買ってきました」
「新聞売りはどうだった?」
「新聞売りですか・・・?普段と変わらず・・・でした」
(すぐには変わらないか・・・これ以上は面倒みれないから影ながら応援しているわ・・・)
「私の分まで買っていただかなくてもよかったのに・・・」とジェシーは言う。
「どうして?」
(まさか自分よりアニーのことを気にいってると思ってる・・・?)
「私の一番のお気に入りはあなたなのよ?アニーだって知ってるはず」
「そうですよ~私よりも長いお付き合いではないですか~!」とマカロンを食べながら話す。
(物欲が半端ないのね・・・正直でいいわ)
「ありがとうございますお嬢様」とジェシーは喜ぶ。
「あなたもこれ食べて」
「は~い」
侍女たちがもくもくと食べるなかアリアは新聞を読む。
新聞記事には取引先を奪う貴族達!!主導者は外国人の高位貴族か!?と書いてあった。
(これは確かピノヌア地方の下級貴族が犯人だったはず。貴族たちの取引に対して手数料を上乗せして販売ルートを独り占めしたとか・・・貴族が愛用する高級品などを高額で独占販売して利益を得ていた。貴族たちは互いを疑いながらも外国の財閥たちが犯人だと思い込んでいた・・・
しかし犯人が誤って落とした文書が発見され正体がわかった。犯人は外国に逃げたんだとか・・・?身分を隠すだろうし捕まるわけない。これをうまく利用できないかしら?公女に対抗するにはなにか私だけの・・・財産がいる)
(でもなにから始めれば・・・やるとしたらさきに買いだめしておくべきよね・・・そしたら買いだめするお金が必要になる。お小遣いでは足りないし・・・どこかで手に入れられないかしら・・・)
(!)
(カジノがあった!!砂時計をうまく活用して・・・それから相場を調べて金額を計算・・・)
2階のテラスでアリアが企てていると、皇太子がローブを被り下から見上げていた。
「・・・・・・ロースチェント・・・?」
第32話 感想
砂時計があれば楽勝でしょうが、いかさまとか怪しまれたりとかありそうな感じですね。そして、皇太子はアリアを外で見つけましたが正体をあばきに行くのかな?