第26話 ネタバレ
(でも・・・だとしたら理由は何だ?『デビルズ』のギルドの性質上恐らく金銭での取引をしたと思うんだけれど・・・PKの撃退で得られるモノ・・・有名になりたかったとかそういう類か・・・?)
「『デビルズ』の奴らがやられてくれて本当にスッキリしたよ」
「『白夜』って本当に凄いよな」
「まだ新しいギルドだけれどパルディークの代表ギルドの座も狙えるかもな」
噂を聞いた智博はもしかして・・・代表ギルドの座が狙いか・・・!?と考えた。
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毒の魔塔では『デビルズ』から金を受け取ったライノがロバートから情報を聞き出すために訪ねていた。
「ライノ・・・!!久しぶりだな!元気にしていたか?支部に移動して以来一度もここへ顔を出さないから心配していたんだぞ」
「久しぶりだなロバートいや・・・なかなか忙しくてねやっと会いに来れたよ。それに・・・ちょっと気になることもあってね・・・」
「ははっライノ君のことだからここに来た一番の目的は俺じゃなくてそっちの方だろう?」
「・・・ふっ相変わらずロバートには敵わないな・・・」
「それで・・・気になることって何だ・・・?」
「それがな・・・実はな・・・俺の知り合いが毒の魔塔所属の魔導士から攻撃されたそうだ」
「えっ・・・!本当かっ!?」
「俺も人づてで聞いた話だから詳しい事情は分からないが攻撃してきた奴が毒の魔塔のローブを着ていたらしくてな・・・本当に毒の魔塔所属の魔導士なら直接会って事情を聞いてみたいんだ」
「それが事実なら俺も見過ごせない!その魔導士の名前は知っているのか・・・?」
「あぁ・・・『智博』と言うらしい」
口元を若干にやけさせてライノは言うが、ロバートはその名を聞いて深刻そうな顔になった。
「・・・!!それは・・・名前に間違いはないのか・・・?」
「あぁそうだが・・・急にどうしたんだ?」
(もしかして知り合いか・・・?)
「『智博』と・・・本当にそう言っていたんだな?」
「あぁ・・・君の知っている人なのか?」
「知っているというかうぅ~ん・・・・・・」と頭を押さえて悩み出してしまったロバートに「・・・?もし親しい人なら紹介してくれないか?」とライノが言う。
「・・・その前にまず智博様について先に君に説明しておかないと・・・」
「さ・・・様?何だその呼び方は・・・」
「・・・智博様は次期魔塔長になるお方なんだ」
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やっとゲームの中で家族旅行へ行くことができた智博たちだったが・・・
「なぁ智博あの頭の上に出ているのがギルドマークっていうやつか?」と父が尋ねてきた。「あっ・・・!あのマーク・・・私たちをPKした人と同じよ」と母が言う。
(こいつら・・・なんでこんなにいるんだ?)
顔を知ってる奴がいなくて良かったけれど・・・と思う智博。
しかし、『デビルズ』が他のプレイヤーにぶつかっているところを目にした。
「痛っ・・・!!」
「おっと・・・すみません」
(今のはワザと・・・まさか・・・俺を探すためにゲームのシステムを利用してワザとぶつかってキャラ名の確認をしているのか・・・?)
「ちょっと食べ物を買ってくるから2人とも先に色々見に行ってて」
「えっ?観光しながら買えばいいんじゃないか?」
「そうよ せっかくの家族旅行だもの」
「おススメの食べ物があってさ・・・ちょっと遠いから一人で行ってくるよ」
「戻って来た時にどうやって合流するの?」
「その時は俺からメッセージを送るよ!それじゃ後で!」
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「いらっしゃいませ」
智博はアイテムショップに行き「仮面が欲しいのですが最近人気のものってありますか?」と尋ねる。
「あっ!流行りの仮面ですねっ 今はこれが一番人気ですよ!お値段も5ゴールドでお手頃価格です」
「じゃあ それください」
お面をかぶると智博は、ハドリウムまで行く。
(幸正の情報だと多分この辺りに・・・見つけた・・・!)
「・・・ん?」
「ポイズンフォッグ」
「何だっ!?」
智博は『デビルズ』の処点に行き襲撃した。デビルズのメンバーたちは犯罪ぽイントが高いユーザーだったので、智博がいくらデビルズの者を攻撃しても犯罪ポイントの上昇はなかった。
「あいつ・・・!ギルマスからPK命令が出ている『智博』だっ!」
「くそっ・・・不意打ちしやがって・・・!!」
「まさか一人でここに乗り込んできたのか?」
「ナメやがって・・・」
「ファイヤーコネクト」
智博は気にせず次々と攻撃を打ち込む。智博の攻撃に「うわぁぁっ!!」と叫び声が上がる。
「いたぞっ!あいつが『智博』だ!」「捕まえろ!」と敵側の援軍がきたが、智博はそくざに魔法で攻撃をする。
(よし・・・これだけやれば他の所にいる奴らにも情報が流れて慌ててここに戻って来るだろう・・・)
智博は『疑似次元(デミプレイン)』を経由してパルディークへ戻った。思ったより皆弱かったな・・・いっそのことあの場所で待ち構えて全員倒した方が良かったかな・・・と智博は考える。
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パルディークでは「おいっ急ぐぞ!」「すみません通りますっ!」とデビルズのメンバーが慌てていた。
よしっ予想通り・・・!と安心した智博は旨いパンを買いに行く。
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一方、デビルズ側はユウダイに赤髪のメンバーが報告していた。
「ライノも知らないだと・・・?」
「あぁ・・・そんな名前の毒の魔導士はいないって」
「おかしいな・・・ロケンは毒のローブを着ていたって言っていたんだが・・・」
「んー・・・あのな・・・俺ちょっと思ったんだけどライノが嘘をついているような気がする」と赤髪の男が言う。
「・・・・・・?」
「何か妙に話をはぐらかそうとしてきてさ・・・」
話の途中でユウダイの所にメンバーから通信が入った。「何だと!?今かっ・・・?」
『はいっ!ギルドの処点に『智博が』現れました!単独のようですが入り口でメンバーを次々に攻撃しています!』
「今ここに『智博』が来ているらしいぞ。まさか向こうから処点に来るとは・・・」ユウダイが言うと赤髪の男が「ちょっと俺見てくる!」と言って入口の方へ向かった。
そこには、たくさんのメンバーが倒されていた。
「ユウダイ!大変だ・・・!!」と赤髪の男がユウダイに言う。
「どうした・・・?」
「別の所にいるメンバーを全員呼んでくれ!」
第26話 感想
ゲーム世界で家族旅行って仮想世界なら楽しそうですね!