第14話 ネタバレ
ノイヴァンシュタイン家ではエリアスとレイチェルが喧嘩をしている横でレオンが本を読んでおり、ジェレミーは騎士から剣の稽古をつけてもらっていた。
そんな平和な日常でシュリーは会合の服を屋敷で選んでいる。
「こちらはいかがですか奥様?」
ちょっとくどいような・・・と返すシュリーに「最近の流行には合いませんよねぇ?」と話す。シュリーはクローゼットの中がやたらと大人びて見える服で溢れてる・・・と思った。
以前のシュリーは少しでも早く威厳のある当主になりたくて何とかして見かけだけでも大人のように振舞おうとしていた でも
(あの頃と今の私は違うわ!しかもこれからの7年間どんなスタイルが大流行するかも全て分かっている!!)
追悼招宴は華やかに開く予定だから「こちらの明るい色のものが良さそうです」とシュリーは話した。
「それじゃあ議会に行ってくるわね あまり遅くはならないと思うわ」
シュリーが議会に向かう朝、子供たち全員が見送りにきてくれた。シュリーはエリアスに良かったら何かお菓子でも買ってこようか?と尋ねるがレオンは「お子ちゃまレオンと一緒にすんじゃねぇよ」と言う。
「兄様が僕のお菓子盗って食べたくせに!!」と泣くレオン。レオンとレイチェルは「ママ僕に買ってきて!」「ママ!それならあたしも!!」とおねだりする。
最近の双子はイタズラをする代わりにシュリーに甘えるようになった。
ジェレミーもエリアスもどこか優しくなったと感じるシュリー。
(でも最も大きな変化はやっぱり
私のことを『ニセモノ』と呼ばなくなったこと)
シュリーは心が軽くなったと思う。
【首都ヴィッテルスバッハ バーベンベルク宮】
(・・・やっぱり皆ずっと若く見えるわね誰だかはっきり思い出せない人も多いけど)
帝国カイザーライヒの貴族議員会はヴィッテルスバッハの貴族の中でも指折りの名門家の当主6名とそれに相応する著名な枢機卿7名で構成される組織で、国家の重大事を論じ皇室と教皇庁に請願 嘆願を行う権限を持つ。
貴族席の全員が皇権の味方ではないように枢機卿席の全員が教権だけを掲げているわけではなく見かけ上は皇室の独走を防ぐ公正な機関のように見えるが、その実体は各自の実利という名の蜘蛛の糸に縛られた
糸にかかったエサを公平に分け合うことに夢中になっている飢えた群れに過ぎないのだ。
(指まで震えていた以前に比べればこのくらいの緊張は大したことないわ!どうにか計画通りにうまくやれますように・・・)
シュリーが歩いていると男とぶつかる。拍子にシュリーが被っていた帽子が落ちてしまった。
シュリーは以前にあった記憶と重ねる。
【以前の記憶】
「おっと!!これはとんだ失礼を!!」
男は「私が拾いましょう!」とすすみでる「いえ・・・」と断るシュリーに「ご遠慮なさらず!」と言い男は代わりに帽子を拾う。
その男は「ノイヴァンシュタインの新しい当主の方ですね?私はツァイルのゾーリンゲン子爵です!知っていらっしゃいますよね?ああ・・・結婚されて間もないからご存知ないかな?夫君が生きていらっしゃる時にはしばし力になって差し上げたのですよ これも何かの縁ですしもしよろしければ議会が終わった後でうちでディナーを・・・」と誘う。
【現在】
帽子を拾い「・・・・・・失礼いたしました」と男に謝るシュリーと無言の男。
(何も言わないなんて・・・誰なんだろう?あの子爵じゃない・・・?)
目の前には黒い牧師の格好のリシュリュー枢機卿がいた。目が合うが無言でその場を立ち去るリシュリュー枢機卿。その姿をポカーンとした顔で見つめるシュリーに呼びかける声があった。
驚くシュリーに「申し訳ない・・・驚かせるつもりはなかったのですが」と謝るニュルンベル公爵がいた。「会議室に入らずにこんなところで何を?」と尋ねる公爵にリシュリュー枢機卿とあったのですが・・・じいっと見つめられて・・・何も言わずに去って行ってしまわれて・・・」とシュリーが話す。
公爵は「沈黙の鐘という別名の通り、口数が少ない重々しい雰囲気の方ですからね」と言う。
会議室に入ると他のメンバーは全員揃っていた。枢機卿席の者がシュリーに挨拶をする。
「ノイヴァンシュタイン夫人 亡くなられた夫君へ再度哀悼の意を表します」
「聖なる父と母が故人の魂を安息にお導きくださいますよう・・・」
(・・・上品なフリをしているけれど仮面の裏の忌まわしさが透けて見えるルクレツィア ヴァレンティノとの事件はおそらく彼らに都合のいい内容に変えられてすでに首都中に広められているはず そんな状況で私が堂々と現れたことに驚いているでしょう)
「それでは論じるべき議題が山のようにございます少し早いが始めることにしましょう貴族議会を」
第15話 感想
第13話の最後に出て来たのは特徴的にリシュリュー枢機卿だったのかな?
シュリーは人生をやり直しできたことで子供たちとの関係も今回は上手くいっているようですね。