第22話 ネタバレ
ベルゴットの皇帝・エウレディアンから婚約者候補のソルレアが来ると聞いたエレニカは悲劇を止めるため邪魔しに皇城に行く。一方、宮殿で大人しくしていると考えていたエウレディアンは呆れた様子でエレニカを迎えた。
「本当に言うことを聞かない悪い子だ」
「わたしは予測可能なつまらない女じゃないので!」
自信満々にこたえるエレニカにエウレディアンは白いドレスのせいか今日は一段と透明で今にも消えてしまいそうだから白い服はあまり着てほしくないのだがと考え、エレニカの髪にそっと触れた。
エウレディアンはまだエレニカについてエルラドよりもあまりよく知らないはずなのに自由気ままなせいか、あの女と違って心地よい開放感を感じると思った。
「危険を承知でここまで来た理由は?」
「今度はわたしが陛下を拉致しようと思って!」
エウレディアンのエレニカに伸ばした手をぎゅっと握って堂々とこたえた。ふっと笑ったエウレディアンは「方法は?」と聞くと「えっととりあえず協力してもらおうと思ってます」と話すとエレニカはにこっと微笑む。
「大人しく拉致に応じてくださいさもないと・・・」
「さもないと?」
「一日中わたしのせいで頭を悩ますことになりますよ?今日のスケジュール!一日中邪魔するつもりだから覚悟してくださいっ」
本気だろうかと考えるエウレディアンに「どうせ婚約者でもないんだし別にいいじゃないですか」と話すエレニカ。
「陛下の安全はわたしが保証します協力してもらえますか?まあ脅迫に聞こえたなら仕方ないですけどね」
エウレディアンはルボブニ王国からエレニカを拉致した時の自分の言葉を真似るエレニカに笑った。エルラドと昼食まで30分から1時間ほど残っているが私が時間に厳しいからおそらく時間に合わせて来るだろうとエウレディアンは予測する。
これまでエルラドが自分に接近しようとした令嬢たちを裏でありもしないスキャンダルで再起不能にしてきたことを知っているエウレディアン。
(エレニカほでスキャンダルという単語が似合わない女もいないが・・・人質として連れて来た他国の姫と親しくしている姿を見られるのは私にとっても姫にとってもプラスではない)
「ね?陛下行きましょう」と誘うエレニカはずっと握っていた彼の手をぶんぶんと軽く揺さぶる。あの女に会うのが気が進まないことを知っているようだなと感じるエウレディアンは「応じようとしよう」とかえしエレニカと繋いでいた手をはなした。
「陛下?」と声を出し唖然とした様子のエレニカ。エウレディアンは繋いでいた手を窓枠におき飛び越えてエレニカの方までくると「では聞いてみようではないか」と話す。エレニカは「はい?」と返事をすると近づいてくるエウレディアンにビクッとして後ろに一歩下がった。
「この私を拉致して一体何をするつもりなのか」
エウレディアンの言葉にぽかーんとするエレニカ。
(うそ?成功しちゃった・・・)
「姫?」と不思議そうにするエウレディアンにわたしがお父様を(←エウレディアン)を説得したってことよね?と困惑するエレニカ。
(それとなく攻略しようとしたらすぐガードしてくるから正攻法で攻めてみたんだけどまさか通じるなんて!!)
連れだすことに成功するとは考えていなかったエレニカは「とりあえずは・・・一緒に逃げましょう!」とエウレディアンに片手を差し出した。微かに笑ってその手をとったエウレディアン。
素直すぎて逆に不気味に感じるエレニカは今日は言うこと聞くことにしたのかな?と考える。エウレディアンを連れて逃げるところを目撃したらエルラドはどう出るだろうか?今度こそ生き埋めにされるかも・・・とりあえず早く宮殿に戻って一日中監禁しよう!と決意するエレニカは、歩いていた足をとめ振り返る。
エウレディアンを救うためでもあるのに何で自分だけ切羽詰まってる感じなのか不満に思うエレニカは「いつか必ずわたしに感謝する日が来るはずです」と話した。エウレディアンはその言葉に不思議そうにしたが「まあ・・・そうかも知れないな」とふっと笑い「先のことは誰にも分からないから」という。ムカーとするがソルレアにバレる前にさっさと行くことにしたエレニカ。
歩いていると急に足をとめたエウレディアンは繋いでいた手を強く握りエレニカを引き寄せ木の物陰に隠れる。驚いた様子のエウレディアン、視線の先にはソルレアがいた。
(どういうこと?なんでソルレアがベルック宮殿の前に・・・!?)
第22話 感想
エウレディアンついにデレてくだっさたわけですが、ぶっちゃけエウレディアンが窓枠から飛び越えるまでずっと仲良く手を繋ぐ2人にいつまで繋いでんだと思わずツッコミを入れたくなりましたwwww