第46話 ネタバレ
ミエール「まさかビンセント侯爵が値下げをされるとは思いませんでした。侯爵は皇帝派ではありませんよね?」
伯爵「そのはずだが・・・値段を上げるべきだと提案しても聞く耳を持ってくれないんだ」
母「まあ・・・貴族派に一体なにがあったのでしょう・・・」
伯爵「カジノの不正が記録された帳簿が皇太子の元に渡ったそうだ。中には名指しできないような者もいるらしい」
(公爵家の名前でも載ってるのかしら?今までの皇太子は貴族派の意見に流されるだけのイメージだったけれど
今では貴族派が皇太子に操られているのね。まさか私の行動が影響してる?それでも私の知り合いで影響力のある人はアースくらい・・・)
(まさか・・・アースが皇帝の息子なの!?それなら身分を明かそうとしないことも納得がいく)
「アリアはこの状況をどう思う?この件について貴族派にできることはあると思うか?あれば教えてほしいんだが」
(当たり前のように聞いてくるけど私はあんたなんか協力しないわ)
「ごめんなさい。な~んにも思い浮かびませんわ」
「そうだよな・・・」
(どうせ私がなにか提案したってミエールの案にするんでしょ!)
「この話題はお姉様には早かったみたいですね」
(あ~・・・イライラする)
母「アリア・・・顔色が悪いけど大丈夫?」
ミエール「難しい話題を無理に理解しようとして頭を痛めてしまったのではないですか?」
伯爵「アリアは部屋に戻ってなさい」
(このような状況には何度も出くわしてるのに一向に慣れない・・・)
******
アリアは部屋に戻ると出かける準備をした。
「お嬢様、ネックレスをお付けになったほうがよろしいかと。その格好ではシンプルすぎます」
「これでいいのよ。それに私はわざわざ派手な格好をしなくても視線が集まるじゃない?」
「確かに!それでは行きましょう!」
(アニーは私の扱いに慣れてる・・・)
「ベリー!あなたは廊下と階段を綺麗にしておいて」
「はい」
「・・・?」
******
「お久しぶりです!」
「お久しぶりです。クリーン男爵夫人」
「私もいま到着したばかりです~」
「さっそく中に入りましょう」
ガチャン
「あっ、お待ちして あれ・・・ア・・・アリアお嬢様?」
「こんにちは招待を受けて参りました~」
「2人は知り合い・・・?」
「ボブーン男爵!」
「あ・・・アニーさん!」
「仲がいいのね~」
「本当ですね」
「私たちは移動しましょう」
「私がご案内いたします」
(アリア・・・じゃなくて投資者Aさん!!ここに来た理由を聞いていなかった・・・)
「今日は男爵がお好きなかぼちゃのタルトを作ってきました!」
「ありがとうございます会議のあとにいただきますね」
(あとで話す時間はあるだろうか・・・)
「会議が早く終わったら劇を観に行きませんか?」とアニーが誘う。
(アニーさんは可愛くて癒されるな~)
「私は執務室で待ってますね」
(ふとアリアお嬢様に一目惚れしてしまったあの頃を思い出した。アリアお嬢様は将来どのような方と結婚されるのだろうか?きっとお相手はお嬢様のように聡明で素敵な人だろう)
「男爵様ピノヌア様がお見えです」
「初めましてピノヌア・ルイと申します」
アースがピノヌアと名乗り挨拶をした。
「噂で聞いた印象と違ったので気づきませんでしたよ」
「私ももっと華奢な方だと思ってました」
「外に出ることがあまりないのでいろんな噂が飛び交っているようです」
「たしかに・・・噂だけで人を判断してはいけませんよね」
「その通りです」
アースとボブーン男爵は噂と違うアリアのことを思い出す。
「それでは会議室にご案内いたします」
******
中はガヤガヤしていた。
(結構大人数だな。去年はこの人たちの存在すら知らなかった・・・)
アリア(えっ?)
アース(なぜ・・・)
((ここに・・・?))
アースは参加者にアリアがいて驚く。
「ピノヌアご子息様どうかなされましたか?」
アリア(ピノヌアご子息って言った今!?)
「こちらへお掛けください」
「ありがとうございます」
(どういうこと?アースが・・・ピノヌア・・・!?)
「それではご紹介させていただきます。こちらはピノヌア様でございます」
「ピノヌア・ルイと申します。本日はこのような場に参加することができとても嬉しく思います。皆様にお会いできて光栄です」
(アースがピノヌアだったなんて・・・ここ最近会えていなかったのは事業で忙しかったから?一体どういうこと?どうして目も合わせてくれないのよ!?)
アース(つい視線を避けてしまった)
(以前より痩せたように見えるけど・・・それでも最後に会った時より大人っぽく感じる。そんなことより彼がピノヌアのご子息って・・・
彼の正体をこんな形で知ることになるとは思わなかった。会議に集中できないじゃない・・・)
「こちらにも初めて参加される方がいらっしゃいます。お嬢様、自己紹介をお願いしてもよろしいですか?」
「はい・・・ロースチェント・アリアと申します」
「アリア?」
「伯爵家の?」
周りがザワザワする。
「私の場合、投資を受けたわけではないのですがこの度参加させていただくことになりました」
アリアが話すとボブーン男爵はいつ正体を明かすのかとソワソワしていた。アースがその姿に気づく。
「伯爵家に招待していただいた時に初めてお嬢様とお話したのですが家門を守ることが妻の役目だなんて言葉にすかさず反論してくださって!」
ボブーン男爵(正体を明かすわけではないのか・・・)
「旦那のサポートも大事ですけど私たちは事業を続けたいんです!」
「本当ですよ~他人に強要されても困りますわ」
「どなたがそのような発言をされたのですか?」
「奥さま方のサポートがあったからこそここまで成長できたというのに」
「色んな意見がありますね」
「それでお嬢様にもこの集まりに是非参加していただきたいと思ったんです。それに投資者と同じ発言をされていたんですよ!」
「おお~それは素晴らしい!」
「ゴホッ」
投資者の正体を知っているボブーン男爵は思わずむせた。
(・・・?この人大丈夫か?ずっとアリアお嬢様の様子を伺っているようだ)
ボブーン男爵の不審な動きをアースがジーッと見つめる。
(アース・・・!どうしてさっきからボブーン男爵のことばかり見てるの!)
アリア「さっそく会議を始めましょう。私は・・・本日はじめてご参加されたピノヌア様、あなたがどのような事業をお考えなのか是非聞かせていただきたいわ」
(あなたの計画書は以前見たものと違っていたし内容を読んでみたけれど抜けている部分が多かった。彼はなんと答えるかしら?聞きたいことはほかにも山ほどあるから簡潔にお願いね)
「それではご説明させていただきます。僕が考えている事業は・・・」
「『学校』を設立することです」
(えっ?学校・・・?)
第46話 感想
初めて参加した集まりでまさかアースと遭遇するとは・・・アースの正体を誤解しそうですね。