第22話 ネタバレ
「ふぅ・・・騎士のフリをするのも大変だな」
「そうですね」
******
【回想】
「さっきはすごかったぞ!」
「あいつらは街の中でも乱暴で有名な輩なのに!」
「騎士様素敵です!」
ユーストが街のイベントで勝負し、みごと乱暴者たちに勝った。町人たちは喜び2人を飲みに誘う。
「お嬢さんも騎士なのかい?」
「ええ、そうですが・・・」
「私の姉も騎士だったよ。あんたを見てると剣を振り回していた姉の姿が思い浮かぶよ」とおばあさんがユリアを見て言う。
「また始まったわ。騎士のお姉さんの話」
(これからもこの人たちが笑顔でいられるように頑張らないとね。小説の中も現実世界と変わらないのね不思議だわ)
******
町人たちと別れ、2人で歩いていると
『・・・どうか戻ることも思い出すこともありませんように・・・』
すれ違う瞬間、何者かに言われユリアは驚く。
(なんなの・・・?そんなはずないのにどこかで聞いたことある声だわ・・・!!)
ユリアは急いでその者を追いかけようとした。
「待て!!」
「陛下?」
しかし・・・
「キャァァッ!」と大きな叫び声が聞こえてきた。
「助けてください!」
(さっきの女が逃げたところとは反対方向だわ・・・追って行けば私がここに来た手がかりを掴めるかもしれないというのに・・・)
「陛下!」
(今はあの人を助けるのが先よ!)
「やめてください!」
「何言ってんだ!俺たちをバカにしたのはお前だろ!?」
「そんなことは・・・きゃっ!」
(あれはさっき広場で・・・)
「あの警備隊の奴らにはヘラヘラしてたくせに俺たちは客じゃないってのか!?」
(ユーストに負けた連中ね)
「ち・・・違います」
店員の頭を男が掴んだ。
「きゃっ!」
男の行動に怒り助けに行こうとしたユリアをユーストが止める。
「私が止めます。陛下はあの女性を保護してください」
「・・・・・・ああ、頼んだぞ」
「はい、お任せください」
「ナメるのも大概にしろ!」
拳を振り上げた男をユーストが殴り飛ばした。
「お・・・お前は、くそ・・・!!」
ユーストの登場に男の仲間が怖気づく。
「この野郎・・・!!」
「さっき運良く勝てたからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!!」
男の仲間は店員の髪を掴んだ。
「きゃぁっ!」
ユリアが助けに入る。ユリアに手を殴られ男は叫んだ。
「うあああっ!!」
「・・・くそ。許さんぞ・・・!!」
キレた男が殴りにきた。
ユリアが女性を守り、ユーストがそれを受け止める。
「お前の相手は私だ」
******
暴れる男たちを倒しユーストが「大丈夫ですか?」と尋ねる。
「ええ・・・本当にありがとうございます」
「何があったんですか?」とユーストが女性に尋ねた。
「もともと、あの方たちは騎士だったんですが戦争が終わりクビになったことで毎日のように飲みに来て暴れていました。
通報しても我慢しろと言われるばかりで・・・それでもフェーズ公爵が処刑されてからしばらくは大人しかったんですが今日は急に怒りだして・・・」
「・・・・・・これからは心配ありません。あの者たちがこの店を訪れることはないでしょうから」
「本当ですか!?ありがとうございます!お二人のおかげで助かりました!」
******
「ユースト」
「はい」
「祭りが終わり次第、首都の治安を担当する警備隊を正式に編成するぞ」
「準備致します」
(しばらくは大人しかったが『今日』いきなりか・・・それに本来はフェーズ公爵の騎士。
どうやら・・・間違いなくあの女と絡んでそうね)
第22話 感想
ユリアがすれ違った女性は何者なのか気になりますね。