第30話 ネタバレ
「えっ？レラジエが来たぁ！？」
「はい、どうされますか？」
「ま・・・待って！」
ジンジャーはメイドに待っててもらい慌てて
「ちょっと！変身魔法とか使えないんですか？動物や物に変身したり！」とハメルに言う。
「私はそのような魔法が使えません・・・」
「それならどうするんですか？一緒にいるところを見られちゃいけないのに」
「！！」
「ハメルとりあえずあの中に隠れてください！」とタンスを指差して言う。
「あ・・・あの中にですか？」
「少しの間ですのでレラジエをすぐに追い返します」
「で・・・ですが・・・！」
「早く！」
「待ってください！」
「なんですか？時間がないんですよ？」
「・・・私は閉所恐怖症なのです」
「閉所・・・恐怖症？」
（言われてみれば顔が真っ青どうしたらいいの？）
「ほ・・・他に隠れられそうな場所は・・・」
「状況が状況ですので・・・がんばってみます」
「だ・・・大丈夫ですか？」
「はい・・・短時間なら大丈夫だと思います」
「できる限り早く追い返しますね」
「・・・・・・」
＊＊＊＊＊＊
「元気にしてた？」
「突然、何しに来たの？」
（！！！・・・待ってあれは！）
「ジンジャーこの本を知らないとは言わないわよね？」
「・・・もちろんよ。だってそれ私のだもん。どこに行ったのかと思えばあんただったの？」
（なんでレラジエが持ってるのよ！？絶対に読まれた・・・はぁややこしいことになったわ！）
「ジンジャーこれを盗んだのはあなたの恋人よ。私はキキにもらったの。欲しいとも言ってないのに」
（キキあの野郎・・・！許してくれってすがりついてきたくせにまだレラジエと切れてなかったのね？はぁ・・・落ち着け私キレたら負けよ）
「まぁレラジエ知らないの？ミケルセン公子様はもう私の婚約者じゃないわ。目上の方が婚約を白紙に戻してくださったの」
「目上の方？まさか陛下のことを言ってるの？」
「うん陛下が私のことをすごく心配してくださって。近いうちにまたお会いすることになったの世間話がされたいそうよ？私の話がおもしろくてお好きみたい」
「・・・・・・」
「私が何か言うたびに笑ってくださるし。一緒にいるととても楽しそうにしてくださるの」
（盛って『お好き』とか言っちゃったけど私と陛下の距離が縮まったのはホントだもん！）
「ジンジャー正直に言いなさい。この本を使って陛下の気を引いたんでしょう？私のネックレスを狙っていたのはそのためね！」
「なんの話？ネックレス？まさか・・・小説と現実の区別がつかなくなっちゃったの？」
（よしこの調子よ。この調子でレラジエを追い返さなきゃ。ハメルもう少しの辛抱だからね！）
「本の内容を真に受けたわけじゃなくて・・・私知ってるのよ。赤いネックレスが存在する理由。イザナ陛下の力どちらも実在するって。私が知らないとでも思ってたの？」
「・・・・・・」
「あら返事に困ってるようね」
「こ・・・困ってなんかないし！それよりなんで陛下の力のことを知ってるわけ？」
「あなたの知らない人が教えてくれたの。彼の力に気をつけろと・・・」
（私の知らない人って・・・？まさかハメル？）
「・・・何が言いたいの？」
「警告しに来たのジンジャー。私イザナ陛下が気になるの。はじめて彼を見た瞬間、目を奪われ私のおじい様に呪いをかけられたという話を聞いて彼のことをもっと知りたくなった」
「あなたも陛下に気があるということはわかってるわ。陛下は今あなたの方を向いているかもしれないけど必ず振り向かせてみせる」
「ハッ！そんなことができるの？陛下と私はもう深い仲になったのよ？」
「嘘ばっかりそんなはずがないじゃない」
「本当だもん私はもう陛下の手も握ったもんね。陛下の手す～っごく冷たいの！毎日握って温めてあげたいくらい！」
「・・・何言ってんだか」
「えっ？そんなことで驚いてちゃダメよ？もっとすごいことがあるんだから」
「な・・・何よ？」
「聞いて驚かないでね？」
「早く言いなさいよ！」
「私・・・陛下の太ももも触っちゃった」
「えっ・・・！？ふ・・・太もも・・・！？」
ガタンッ
（！！！）
音が聞こえた方に振り向くと
「あ・・・あれは何？」
「ハ・・・ハメル！！」
第30話 感想
ハメルが倒れてしまったようですが大丈夫かな？
