第15話 ネタバレ
「あの・・・私のことでしたら大丈夫です。あの日のことは記憶からきれいさっぱり消えましたから」
「そんなにもショックだったなんて・・・もう一度謝るよエドウィンもいくらでも罰を受けると言っている」
(俺がいつ!!罰何て・・・もうあの日セレニアと一緒になって俺を殴っただろ!こいつ犬だと思ったらキツネだったのか!!俺のことはただの口実に過ぎないんだろ?ただお前が彼女と一緒にお茶を飲みたかっただけじゃねぇか!)
「こんな奴に気を使うことはありません」
「でも・・・」
「公爵様が婚約式の日程を半分以上減らしてくださったと聞きました。ありがとうございます」
「!」
「その・・・別にあなたのためにしたわけじゃない」
(こいつ何で小説の真似してるんだ??)
「あぁ そうなんですか」
(まぁセレニアがいるのに他の女と盛大な婚約式なんてやりたくないよね。)
(あんたも何で真に受けてるんだよ!!)
どこか満足そうなカイロスとカイロスの言葉を信じるバレリーに
(何で満足して何で信じるんだ??)とエドウィンは思う。「おまえらマジで頭がおかしいの分かってるか?特にボルシェイク令嬢は違う世界から来た人みたいだ!いったいこんな罰どこで覚えたんだ?」と尋ねた。
バレリーは「両親からときどき・・・」とこたえる。
「ボルシェイク伯爵が?あんな怖そうな顔つきで面白いこと考えるんだな!」
(前世の両親の話なんだけど、まさかお父様を呼んでもっと面白いことはないのか聞いたりはしないよね?後でお父様に面白い罰リストを書いて手紙を送っとかなきゃ)とバレリーは考える。
「とにかく本当に画期的な罰だよ!そうだ!これを騎士団でも取り入れよう!いつも無駄にカッコつけてる騎士団長たちにはこれが一番だな!いや騎士団だけじゃなく最高位の貴族たちも間違ったことをしたら抱き合っているように言おう!」
(スケールが大きくなり過ぎた!)
「ちょっと何バカなこと言ってんの・・・!」
思わず皇太子に暴言をはいてしまったバレリーだったが、エドウィンは「すっげー面白いボールが現れたもんだな!」と笑う。
「え?ボールですか?」
「あなたは本当に面白い人だ。俺に面と向かってバカだと言った女は初めてだよ!」
エドウィンの言葉に冷や汗をかくバレリーと少し不穏な様子を醸し出すカイロス。そんな中、騎士から突然報告があった。
「皇太子殿下、皇室からすぐにお戻りになるようにとの伝言がありました」
「あーまったく親友の家で話をする時間もくれないってのか?」
「あとお伝えすることは・・・『予言者である魔法使いが到着した』とあります」
騎士からの報告により席を立ったエドウィン。バレリーはエドウィンの袖を掴んで引き留める。エドウィンが振り向き不思議そうに見つめるが、思わず掴んでしまったバレリーは「何でもありません気をつけてお帰りください」と話し袖を離した。カイロスは嫉妬からか退出するエドウィンをジロッと睨む。
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(先生は帝国で唯一の予言することができる魔法使い。ときどき皇室に呼んで予言をさせることがあると聞いたことがある。
・・・相変わらず活躍されてるのね。そんな知らせはわざわざ聞きたくなかったけど)
「お嬢様お目覚めですか?さあ早くご準備をなさらないと!」
(だけど私ったらなんで皇太子の腕を掴んだんだろう?怒ってほしかったのかな?一瞬どうかしちゃった?)
「あるいは暴言を吐いても活躍して、ある人はその予言のせいで夜も眠れずまったく不公平な世の中だわ」
「もう寝言はおやめください!しっかりしてください今日は婚約式の予行練習の日なんですよ!三日後には婚約式本番なんですから!」
「イヤリングをお持ちしました」
「さあこれをお付けにならないと!」
「・・・これを・・・どうして?」
「何を仰るんですかお嬢様。今お召しになっている婚約式のドレスととても合ってますよ!」
(セット商品ですって??)
第15話 感想
バレリー考案の罰と知れわたったら社交界や城には二度と近寄りたくないでしょうねwww
カイロスの手作りイヤリングの他にまさかドレスも製作したわけじゃないよねさすがに・・・