第13話 ネタバレ
屋敷を追い出されたルクレツィアとヴァレンティノ卿はげっそりした顔で馬車に乗っていた。
ルクレツィアは兄のミュラーとのやり取りを思い出す。
「ヴァレンティノがエリアスに剣術を教えるだと!?しかも自らそんな提案をするなんて!お前が手を回さないかぎり・・・!」
「まあ人聞きの悪い・・・先に気に入らないと言い出したのは末のお兄様の方なのに同じノイヴァンシュタインとはいえ私たちの勢力は本家には劣る本当にこのまま大人しく諦めるつもり?」
「・・・相手側は一歩引き下がって協力的な姿勢を見せているじゃないか時間をかけて丸め込めばいい!今すぐには目立ちすぎる明らかになった遺言状の内容のこともあるしうかつには動けん
・・・くそっ!いっそジェレミーの手に渡っていた方が良かったものを・・・!」
「・・・そうかしらどちらにしたって口出しが可能だったかどうか・・・」
ルクレツィアはお兄様が助けてくれていたらこんなことにはならなかったのに!まったく役に立たない兄たちなんだから!と怒っていた。
一方、ヴァレンティノ卿は「あああっ!これからどうすんだよ!!何もかもうまくいくと思って大金借りて全部使っちまったんだぞ!?お前の作戦がまずかったせいだろう!」とルクレツィアに切れる。
「あの継母のせいだと思われるように仕向けようって言ったのにやりすぎたのはお兄様じゃない!!社交界に噂を広げる時間も稼げなかったくせに・・・!」とヴァレンティノに反撃するルクレツィア。
「そんなことはっどうでもいい!とにかくしばらくの間はお前の世話になるからな!お前の家で過ごしながらゆっくり次の計画を・・・」とヴァレンティノが言うとルクレツィアはそんな兄を馬車から追い出した。
「ゴロツキならゴロツキ騎士なら騎士
二兎を追う者は一兎を得ずと言うでしょう ああ・・・手助けが必要ならこの近くにショルツ子爵夫人が住んでいるから私の名前を出せば馬車を貸してくれると思うわ」
そのまま置き去りにするルクレツィア。
「奥様のご指示通りマダム・ルアゼルをはじめとし今回の件に加担した使用人は全て屋敷を去りました」と報告するグウェンにシュリーは「急に人が減って大変でしょうけどしばらくの間は頑張ってちょうだいね」といたわる。
「ママ!」「ママァー!」と叫び部屋に入ってくるレイチェルとレオンは「エリアス兄さまが僕の飴を食べちゃったー!!」と泣く。
シュリーは「エリアス!弟のものを勝手に・・・ちょっと待ったこんな夜遅くに飴ですって!?」と叱っていると「おい!エリアス!!僕の剣で遊ぶなと言っただろう!」と怒りながら部屋に入ってくるジェレミー。
エリアスは「お・・・俺じゃねーし!」と言うが「お前以外の誰が僕の剣を勝手にいじるっていうんだよ」と怒る。
ジェレミーの剣をいじった真犯人レイチェルは「ママ~ジェレミー兄様がエリアス兄様をいじめてエリアス兄様がレオンをいじめてる~」と言った。
ほのぼのとした家族の光景をほっこりと見守る使用人2人。
裏方で書きものをするロベルトと紅茶をつぐグウェン。
「大勢が出て行きましたね」
「ええ 名の知れた家門である分給与が高額なので人員の補充は難しくないがこんなことはもう二度と起こらないようにしないと 信頼のおける者たちで使用人を揃えるのも重要な仕事になるでしょう・・・」
「私がこのノイヴァンシュタインの屋敷で生まれ育って若くしてメイド長になった時
裏であることないこといろいろ囁かれて今の奥様と少し似た寂しさを感じていたような気がします」
メイド長になりたての頃を思い出すグウェン。ロベルトは「そんなことが・・・!?」と驚いていた。
「もちろん奥様の方がはるかに辛い状況でいらっしゃいますけど・・・」とグウェンは言う。
だから幼い奥様がいらっしゃった時困惑もしましたが、何よりも奥様の困っていらっしゃる気持ちがよく分かるからか
「少しでも早く侯爵家のもう一人の主人として暮らすことに慣れてもらわなければなりませんから」
奥様の力になってさしあげたいと思ったんですとグウェンは語る。
グウェンは秘密裏で呼ばれた時のシュリーの言葉『ここにいる人たちは私がこの屋敷で最も信頼を置いている主任者たち』を思い出す。
「だから奥様があのように仰ってくださって本当にうれしかった お叱りは受けてしまいましたが・・・」
「そうでしたね・・・本当にいろいろなことを考えさせられる一日でした私としても奥様が前よりも我々を頼ってくださっているようで嬉しく思いますが
何よりも大人たちの過ちのせいでお嬢様と坊ちゃんそして奥様が心に傷を負うことがなくて良かったと思います」
「大人たちは慌ててばかりの一日でしたね
頑張りましょう明日から本当に忙しくなりますから」
ステンドグラスから差し込む光と蝋燭の微かに灯る暗闇でのなか、黒いローブを羽織る者が2人いた。
「故ノイヴァンシュタイン侯爵の生前からいた者たちも大勢クビになったそうです」
「反感を持つ者は?」
「それはもう少し調べてみなければ分かりませんが・・・」
「・・・・・・分かった」
「これからはノイヴァンシュタイン侯爵夫人の一挙手一投足を全て報告してもらう 監視を続けるように」
第13話 感想
やっと解決したかと思ったら新たな敵ですかね?まさか敵にみせかけた味方!?名探偵コナンに出てくる犯人みたいな顔つきだったし敵だと思うけど・・・コナンに出てくる犯人の方がイケメンな気がするwww
シルエット対決のなかではだけど!