第7話 ネタバレ
公爵家の財産を横領した会計官ラッドの処刑は速やかに執り行われた。
ある者は腐敗を正す第一歩だと喜び。また、ある者は表情を曇らせた。
いずれにせよランは気にも留めなかった。
「あれだけ私腹を肥やしたのに没収できた財産はこれだけ?」
(ギャンブルにつぎ込んだのは知っていたけどここまでとは・・・)
「お体は大丈夫ですか?」
「ん?あっブレイン卿!
まだ死んでないから大丈夫です。ところでいい知らせがあると聞いたけど?」
「はい、洞窟を発見しました。それと頼まれた物を見つけたのですが・・・
残念ながら宝石ではありませんでした。水晶ではないとのことです」
「ええ、宝石じゃなくて【魔石】です」
「魔石ですと?これほど大きな?」
「そうです。この透明度に硬度純度の高い魔石の特徴です」
ブレイン(今まで見た魔石は普通の石ころみたいだった)
「魔法道具を作ること自体はそう難しくありません。魔石さえあれば。手に入れるのも簡単だけど・・・
問題があるとすれば魔石の純度が低く魔力の消耗が激しいこと。でもここまで純度の高い魔石が供給されたら・・・世界が変わるかも!」
魔術師は貴重な存在。しかし、魔術師でなくても魔法陣を描くことはできる。
十分な魔石さえあれば魔術師の手を借りずともできることが無数に広がる。
「こんなに早く見つかるなんてブレインのおかげです」
「見に余るお言葉」
「ご苦労さま」
(次は取引先を見つけないと)
(まだ原作で使ってない設定があったはず!大陸の3大商会の1つと取引するなら・・・
もちろん【ゴールデンローズ】)
ロス卿「あの魔石のこと・・・ご存知だったのですか?」
「確信はなかったけど魔術師たちを近寄らせないのには理由があると思ったから」
(ストーリー後半で見つかる設定だから今は詳しく説明する必要ないか)
「根拠はそれだけですか?」
「うぅ・・・以前、私が扉で迷子になったの覚えてる?」
「・・・はい」
「あの時のことを思い出したの」
私が【ラン】に憑依する前、【原作のラン】は扉で迷子になったことがある。
その事実を知った継母はユスタフの仕業だと罰を与えた。ユスタフへの虐待が始まるきっかけとなった出来事だ。
「当時の記憶と資料を照らし合わせてみてもしやと思った・・・運がよかっただけ」
(私が設定したなんて言えないし・・・)
「魔石を見つかったしユスタフに手紙を書かないと。あとゴールデンローズにも」
(これでユスタフも苦労しなくて済む!もちろんお金じゃ解決できない問題もあるけど。少なくともお金のせいで問題が起こることはない!)
この件が落ち着いたら・・・
(例の男キャラ探しも再開しなきゃ・・・)
(今は奴隷として働いているけど年が明けて不法闘技場に送られたら・・・本当の地獄が始まる。でも・・・)
まずは主人公を救えた・・・
あと2年で
ユスタフが当主の座に就く。
(半年後にはユスタフも卒業だし臨時の当主も用済みかな)
ランがユスタフ宛の手紙に【いい人材連れてきて!】と書いた。
それを見たユスタフは
(人材か・・・何人か目に留まる者はいるが・・・社交活動を疎かにするなということか)
アカデミーの社交活動なんてうんざりだが、これはまた別の話・・・
(当主の命だから問題ないだろう)
ところで・・・
(今までこんなに借金があったとは。公爵家の収入では返済しきれない額だ)
しかし、ランは魔石を見つけてくれた。
魔石か・・・
(奇しくも、お前の選択は正しかったようだ)
ユスタフが指輪を握る。
第7話 感想
魔石を無事に見つかり借金の返済もできそうな感じですね。ただ、叔父は引き下がらないと思いますが・・・