第12話 ネタバレ
抱っこされて移動中
「あっ!そういえば。イルミニティ伯爵の令嬢が病気みたい」
「本当ですか?」
「うん、治療師もどんな病気か分からないって・・・」
「それは大変ですね」
(原作で伯爵は薬が手に入るという話に騙されて公爵家を裏切った・・・でも今なら止められるはず)
「ゴールデンローズに薬を頼んだらどうかな?」
「悪くないと思います」
「でしょ?」
ロス卿がランの部屋の扉を開く。そのままユスタフがベッドまで運んでいった。
「ゆっくり休んでください」
「あっ、うん」
ユスタフがニコッと微かに笑う。
(さっきはビックリした。ユスタフたくましくなってた。とにかく今日は休もう・・・)
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「元本と利息分です。叔父様」
「!」
(どうやってこんな大金を?)
「義姉様の宝石を売ったのか?」
「まさか・・・借用書をお渡しください」
(生意気な顔をしおって!小童が!これでは公爵家を我が物とする計画が台無しだ!)
「そうか金額は確認しないとな」
叔父が袋から出して金貨を噛む。
(本物の金貨だ・・・ベラトに間違いない!)
「ランは・・・どこだ?」
「姉上は業務でご多忙です」
「叔父の顔を見る時間もないのか?直接会いに行かせてもらう!」
(おのれぇ!このまま引き下がれるか!)
「謁見をお望みなら約束を取り付けてください」
「私はあの子の叔父だ!家族なんだぞ!」
「姉上はラチア公爵家の当主でもあります。家族といえど立ち場をわきまえてください」
「そうだな・・・当主様への非礼を許してくれ取り乱してしまった。これを」
叔父がユスタフに借用書を渡した。
「当主様にお目通りを願いたい。約束を取り付けてくれるまで何時間でも待たせてもらう」
「分かりました」
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(侮れないな・・・怒りに任せて怒鳴り散らしたら追い出すつもりだったが)
「当主様にお伝えするつもりですか?」
「仕方ないだろ。待つと言ってるのだから」
「主君、ラン殿のついていかがお考えでしょうか?」
「どういう意味だ?」
「その・・・敵か味方かという意味です」
「敵だとしたら彼女に勝る脅威はないだろう」
(彼女が当主の座に就いて僅かな時しか経っていない。だが公爵家の皆が臨時当主を信頼している。私も然り・・・)
もし6か月後に帰って来ていたら居場所はなかった・・・
「早すぎる」
「主君?」
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「叔父様が?」
「はい、それと借用書です」
「フン、清々した。ところで話ってなんだろう。わざわざユスに頼んだのに・・・」
「申し訳ありません」
「ううん、気にしないで会って話を聞くから」
第12話 感想
原作者のランと戦うなんて無謀ですよね。いくら主人公が無敵でも・・・