第45話 ネタバレ
「ただとは言わない。話は最後まで聞いてくれ。それで皇宮に来たら魔法使いの作業場に入らせてやる」
「アイツは整理ということをまったくしないだろ?天才的な成果を成し遂げたメモもみんなそのままにしてあるんだ。
どういう研究をするのかどんな考えでどんな計略を図ったのか。魔法の解読を習った君ならわかるだろう。天才魔法使いの頭の中を知ることができるメモなんて
魔法を習う者として興味をそそる条件だと思うが?」
「・・・そんなの必要ありません」
~回想終了~
「私はあの人に魔法を習いましたが・・・あまりにも才能がないのでやめたんです。皇太子様の話を聞いて戸惑ったのも事実です。
だけどカイロスの言葉ではっきりわかりました。私は今まであの人が言ったことばかり気にしてて彼の言いなりになって命を繋げればいいと思っていました。
だけどそれじゃあ自分の人生ではありませんもの。一度きりの人生、悔いのないよう自分の思い通りに生きてみたいんです。
自分がしたいことは何か自分の気持ちはどうなのかこれからじっくり考えてみようと思います」
「そこにつきまとう危険は自分の力で克服します」
「それに・・・僕も付き合ってもいいか?」
「カイロスが一緒なら心強いです!」
(モンスターも討伐するほどの人なんだから虎の一頭くらいどうってことないでしょ)
「バレリー・・・」
「じゃあお礼にプレゼントをあげます。実は今日カイロスの部屋に行ったのはこのためだったんです」
リボンを見せる。
「ちょっと頭を下げてください」
「?」
バレリーが抱きつく。
「バ・・・バレリー?」
「ま・・・待ってください。じっとしてて!これでよし・・・と!」
カイロスの首には先程のリボンがついていた。
「クマのぬいぐるみに付けたら可愛いと思って作ったんですけどカイロスにもよく似合ってますね!クマの首に付けてあげてください。
何年間も倉庫にいたんだから新しい服に変えてあげなきゃ!」
「・・・クマじゃなくて僕のものにしたらダメか?」
「ダメですっ!」
******
【ボルシェイク家】
「そのリボンは絶対に嫌だから!!なんでそれをつけなきゃいけないんだよ!あんなバカデカいリボンを付けたがる奴なんていないよ!」
「なんで?可愛いのに~!!今まではこれより大きいのも黙って付けてたのに突然どうしたのよ?」
「僕だって来年は13歳になるんだから!大人っぽい着こなしをするんだ!」
「えぇ?私が持ってきたから嫌なだけなんでしょ!?バレリーお姉様に付けろって言われたら喜ぶくせに!」
「違うって!しつこいな。もうついて来るな!」
「どこに行くの?バレリー姉さんに頼まれたから行ってくる!」
「え?パジャマを着たままで?」
「家の中でできることだよ!」
(姉さんの手紙・・・)
マーシャル元気?
頼みたいことがあって手紙を書きました。
私は子どもの時に魔法を習っていたけど、やめてからは魔法に関する本はすべて地下室に置きっぱなしにしてあるの。
魔法書はとても貴重なものだからどうしても捨てられなかった・・・
だけど最近になってたとえうまくできなくても楽しければいいんじゃないかと思うようになって・・・
それでもう一度魔法を習いたくなったのよ。
地下室にある魔法の本を少しずつこっちに送ってくれないかしら?
(姉さん元気そうだな。地下室に本・・・)
地下室に降りると何かきらめく文字が浮かんでいた。
第45話 感想
マーシャルは大丈夫なのか気になる終わり方ですね。そしてカイロスはリボンも似合いますねwwwリボンを付けたカイロスを見たらマーシャルが面白い顔になりそうです。