第50話 ネタバレ
(動きが怪しすぎるのよ。表情から悪巧みをしていることが伝わってくる…)
アニー「お嬢様お手紙です!それから家の前にはお客様がいらっしゃいましたよ!」
「お客様が来る予定なんてあったかしら?」
「どなたかはわかりませんがお嬢様に好意を寄せている方に間違いありません」
「サラお嬢様の婚約披露パーティーにご参加されてから一気に男性客が増えましたからね。お嬢様が成人されたら男性陣は黙っていられませんね!」
「そうかもしれないわね~それより手紙をちょうだい」
「それでもそこらの男性ではお嬢様と釣り合いませんよ~」
ピノヌアから手紙が届いた。
『投資者Aに全てを託す』・・・か
(私の投資金は多くないけれどアース的には皇太子が新興勢力と手を結んでいることをアピールしたいのよね。
たしかに貴族派に対抗するにはそうするしか方法はない。)
(なぜだかアースを見ていると過去の自分と重ねてしまう)
(袋叩きに遭った惨めな人生。過去のアースも失敗ばかりだったけれどもしかしたら彼も知らぬ間に貴族派に攻撃されていたのかしら?彼も私のように・・・
第二の人生を生きるためのチャンスが与えられたのだとしたら
私たちは同じ船に乗った仲間とも考えられるわね。仲間・・・パートナー・・・パートナー?)
「何してるの?私の分も用意しなさいよ!」
「・・・・・・」
「お茶くらい自分で淹れろって言いたいわけ!?お嬢様!ベリーが!」
(あっ、私ったら何を考えているのかしら?)
「アニー私の分をあげるわ。ベリーが用意してくれたんだけど飲む気になれなくて」
「えっ・・・?いいんですか?」
アニー(いつもならお嬢様が注意してくれるのに・・・今日は機嫌がいいのかな?)
ベリーは青ざめた。
(やっぱりお茶に何か混ぜたのね!?)
「アニー!」
ゴクン…
「飲んじゃダメ!!」
バシャッ
「!?ちょっと!何するのよ!?高いドレスが・・・」
「大丈夫・・・?」
「大丈夫って・・・あなたが汚したんじゃない!!」
「何してるのよ!早く拭きなさい!お嬢様~またベリーが・・・」
「あっ、アニー・・・」
(まずは落ち着いて・・・状況をきちんと把握してから・・・)
「このドレスどうしてくれるの・・・」
アニーがベリーを怒っていた。しかし急にズキッと痛みがおきてアニーが倒れてしまう。
「!!」
「アニー!!」
(一瞬で顔色が変わった。これは間違いなく毒薬だわ・・・)
「ベリーお茶に一体何を混ぜたの!?」
「違うんです・・・どうしてアニーが…」
(錯乱して視点が定まってない。過去にお母さんのお茶に毒を入れたのも彼女のはずだけど、あの時私に平然とこう呟いていた)
『伯爵夫人を殺したのはミエールお嬢様で間違いありません。
我慢してばかりではいけませんよ。毒でも入れて飲ませますか?
今度はアリアお嬢様がミエールお嬢様に…』
自分は全く関係ないふりして。
(あなたの・・・思い通りにはさせないわ)
アリアはベリーの髪を掴み怒りをあらわにする。そして砂時計で時間を戻した。
******
「?」
アニー「お嬢様?いつからそちらに・・・?どうして砂時計なんか持ってるんですか?何か必要なことがあればいつでもおっしゃってくださいね」
(あなたが殺されるところだったからよ…)
「お嬢様、具合があまりよろしくないですか?」
(さっきまで機嫌よさそうだったのに…)とアニーが思う。
(はあ・・・まったくベリーったら、あなたが私を殺す前に私が先に殺してあげる)
(あなたが今まで私にしてきたことを後悔するといいわ)
ゴクッ
「ベリーお茶の味がいつもと違うのね…何を入れた・・・」
バタン
「お嬢様!?大丈夫ですかお嬢様!?」
「誰か!!アリアお嬢様が!」
ベリーは今のうちに逃げ出した。
その後、扉が開きジェシーたちが駆けつける。
「何があったんですか!?お嬢様!?」
「医者を呼んできます!」
「しっかりしてください!」
「お嬢様!」
(これで…よかった…のよね…)
アリアは処刑台での記憶を振り返る。
******
「お嬢様!」
「アリア!目を覚まして!」
「あのお茶を口にしてからです!ベリーはすぐに逃げてしまって・・・」
「医者はまだなの!?お茶の中身も調べてもらって!」
「お嬢様!」
******
医者「検査の結果、少量の毒を摂取されていたようですが命に別状はありません」
(だって飲むフリをしただけだもの)
母「ですが何時間も目を覚まさなかったのよ?身体をさすっても全然起きないし…」
(砂時計のおかげでよく眠れたわ)
「本当に大丈夫なんですか?」
「はい、念のためしばらく安静にしてください」
「お嬢様!」
アリア「まだ起き上がることはできませんが・・・もう大丈夫です」
母「具合が悪くなったらすぐに言うのよ?」
医者「そうですね。もうしばらくは安静にしていたほうがよろしいかと食事はきちんと摂ってくださいね。
やはり精神的なショックが大きいようなので・・・」
ジェシー「お嬢様のお茶に毒を入れるなんてあまりにもひどすぎます!お嬢様こちらを・・!飲んでも問題ありません!こちらを飲めば元気が出ると思います!」
ジェシーが一度飲んで見せてからアリアに勧める。
(ジェシー!やっぱりあなたが一番よ!)
アリア「ベリーはどうなるのですか?」
伯爵「解雇して警備隊にも通報したから心配するな」
「そうですか・・・」
(ベリー・・・ずーっと逃げていてくれるといいんだけど、そのほうがみんな同情してくれるし)
「そういえばミエール!あなたは大丈夫なの?」
「えっ?私ですか?」
「ベリーは元々あなたの専属侍女だからもしかしたらあなたが被害者になっていたかもしれないのよ?考えただけで涙が出そうだわ」
母「まずは自分の身体を心配しなさい」
「早く元気になってくださいね!」
「私たちは出ましょう。また来るわね」
ジェシー「私はお茶をお持ちします!」
皆が出て行った。
「さてと・・・この件はほかの貴族たちも知ってるのかしら?」
「もう大騒ぎですよ!あの日に来客された方の耳に入ったようで街中に噂が広まってしまって!結構顔が広い方だったらしいです。
侍女がお嬢様のことを毒殺しようとしたなんて聞いたらそりゃ噂になりますよね!」
「それだけ?」
「えっ?」
「それだけで周囲の人たちにあの時の状況が伝わるかしら?誰がなぜどうしたか・・・
みんなはもっと具体的な内容が知りたいと思うわ。事件の目撃者であるあなたが真実を伝えてくれる?」
アニーはゴクッと息をのむ
「アリアお嬢様・・・そういうの私得意です!噂なら私にお任せください!」
(この噂が広まるまでは誰にも会わないことにしよう・・・)
******
数日後
「アリア!!」
「お嬢様・・・」
(サラだけは断れなかった)
「お忙しいのにすみません」
侯爵「とても心配しましたよ。急にお伺いしてしまい申し訳ございません」
サラ「アリア~!!こんなにやつれて…本当に大丈夫なんですか?」
「心配してくれてありがとうございます」
(最近はわざと一日二食しか食べないの…)
侯爵「私も捜査に協力します」
「ゆっくり休んでくださいね~私はいつでもアリアの味方ですよ」
「サラ・・・?」
「悪い噂のせいで、お嬢様は毒殺されてもおかしくないと言われていたんです!それが実際に起こってしまうなんて・・・」
(あっ、そこは否定できない)
「アリアお嬢様がこれ以上被害を受けてはなりません!私はアリアを全力で守ります!
今回危険な目に遭ってしまったけれどアリアのことを愛する人がいるということを忘れないでくださいね。
アリア元気になってまた私に笑顔を見せてください」
「・・・・・・」
(なぜだかサラは・・・私が悪女に戻っても嫌わないでいてくれる気がする…)
「ありがとうサラ・・・」
第50話 感想
ベリーがやはり毒をしかけて来ましたね。しかし逆にこの状況を利用したようです。