第46話 ネタバレ
「あの陛下——」
「俺・・・傷ついた。好きな男は俺だけじゃ足りないのか?」
「そ・・・そんなわけないじゃないですか!!さっきのは・・・誤解です誤解!!」
(嘘をついたら余計に信用をなくしそう・・・ホントのことを話そう)
「実は・・・陛下を探していたらララに偶然会ったんです。いろいろ話していたらひょんな拍子に・・・あんなことになって」
「・・・・・・」
「ララを責めないでください。きっと私を心配して・・・」
(待って・・・なんで言い訳してんの?私たち・・・別に特別な関係でもなんでもないのに)
「・・・本当にただの偶然だったんだな」
「はい!そうです!ただの偶然です偶然!・・・私も一つお聞きしていいですか?どうしてレラジエと一緒にいたんですか?」
「レラジエのネックレスを調べたくて。おまえが盗んだはずのネックレスをつけているから。そりゃおかしく思うだろう」
(そうだった。イザナが酔って寝ちゃってちゃんと説明してないんだった)
「あ・・・それが・・・実は盗むときに偽物とすり替えておいたんです。レラジエが身につけているのは偽物です」
「えっ・・・?自分ですり替えたのか?」
(・・・それはつまり『HB』と刻まれたネックレスをジンジャーが準備したということ。そしてそのネックレスを作ったのは・・・
まさか、ララ・・・?)
「へ・・・陛下?」
「ジンジャー・・・」
「はい?」
「やっぱり俺の傷は深いみたいだ。心が痛い」
「私のせいでしたらごめんなさい」
「おまえがララといるのを見て腹が立った焦りを感じもどかしく・・・」
(・・・私もです。あなたがレラジエと二人でテラスにいるのを見ていたらきっと・・・
あっ!!ハメル・・・だから私を止めてくれたの?私が傷つくかもって。でも・・・それにしてはすごく悲しそうだった)
「でも俺はララを信じている。俺の秘密を打ち明けるほど。だけどどういうわけかララが本性を隠しているような気がするんだ」
「・・・・・・!」
(嘘でしょ・・・何か知ってるの?)
「数日前に報告があったんだ。ゲシュトにはもう一人弟子がいたと・・・師匠の最期を見届け他の弟子たちと葬儀を執り行い五年ほど前から行方がわからなくなっているらしい。名前はハメル・ブレイ
ちょうどララが俺の前に現れたのも五年前だった・・・」
(・・・それだけで確信したわけじゃないだろうし。まさか・・・私やレラジエの心を読んで何かを悟ったんじゃ・・・)
「この話はしばらく誰にも言わないでくれ。俺は・・・あいつを信じたいから。本当のことはララの口から聞きたい」
「・・・・・・陛下が受け入れられない真実だとしても・・・?」
「もちろん覚悟はしておくよ。俺が毎回覚悟をして生姜令嬢に会うように」
「私に会うのにどんな覚悟が必要なんですか?」
「今日はどんな悪知恵を働かせるつもりなんだろうかって、おまえの考えを読むのは勇気が必要だ」
「ちぇっ、ならもう何もしません私って陛下の前ではヘンタイ生姜でしかないんですね」
「いいや。おまえにはこれからもずっと俺のことを考えていてもらいたい。それがどんな考えであろうと」
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結局本当のことは言えなかった・・・ハメルのことを知っていると
(ハメルに秘密にするように言われたんだもん)
(事情があるはずだから勝手に言うわけにはいかない!)
いつか私が知ってたってことがイザナが知れば・・・
『ジンジャー・トルテよくもハメルの正体を知っていながら黙っていたな』
(怒られるだけなら別にいいけど・・・嫌われたらどうしよう・・・)と帰りの馬車の中で考えていた。
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一方イザナは
「ララ話がある」
「はい陛下」
第46話 感想
とうとうイザナにハメルの正体がつきとめられたのかな?