第23話 ネタバレ
「ちょっといいですか?」
「どうぞ」
アリアはオスカーにニコッと微笑む。
(ふぅ~よかった。来ないかと思ったわ!あまりにも遅いから紅茶を3杯も飲んだけど来てくれたなら許しましょう。
顔がやつれている気がする・・・私のせいかと思うとちょっと申し訳ない。)
(やっぱり、まただ。もっとミエールお嬢様を気にかけるべきだがどうしてもアリアお嬢様のことが気になってしまう・・・)
「この前いただいたお手紙の返事です今日ならお会いできると思って持ってきました」
「!」
「ありがとうございます」
(あんなに不安になって私ったら・・・)
「今日のパーティーは楽しめましたか?」
「えっと・・・僕はあまりパーティーは好きではないんです」
「私もです~私はパーティー自体慣れていなくて・・・」」
(陰口ばかりされたから耳が変な感じ・・・)
「個人的に知人とはパーティーよりもほかで会うほうが僕は好きです」
「たしかに」
「えっ?」
「さっきよりも今こうやってお話するほうが話しやすくて」
「あぁ・・・そうですよね。」
(ミエールお嬢様の前だと・・・ただの文通友達のはずなのにどうして堂々としていられないんだ・・・)
「ディナーは食べていかれますか?」
「はい」
(しばらくしたら帰ろうと思っていたのに・・・またこうして彼女に流されてしまう)
「嬉しいです!いつも寂しいけど・・・今日はオスカー様がいらっしゃるので心強いです私たちもう友達みたいですね」
「友達・・・」
(そうだ・・・ただの友達なんだ友達なら問題ないだろう)
******
夕食時、
「お嬢様は本当に素晴らしいですね!伯爵様の事業に何度もアドバイスされたんだとか?まだお若いのに才能があるんですね!」とレインは言う。
「聞いた話をお伝えしただけなのですが・・・力になれて嬉しいです」
「主人だって参考にしていらっしゃるし~頑固な方なのに褒めていらっしゃいましたよ」
「それはよかったです」
(あの人はいったい誰なの?自分の主人とミエールをくっつけようとしているのね・・・ミエールの相手は公爵家の長男よ。田舎の貴族なのか知らないけどその努力は無駄よ)
「私からも主人にお礼を言わないといけない。最近かなり忙しそうなのでまた日を改めて・・・」
レインとミエールの楽しそうな会話が続いていた。そんな中、オスカーがアリアをチラッと見ていることに気づいたアリアは・・・
(見てよオスカー・・・私なんて家族の会話にも入れてもらえないのよ)
アリアはシュン・・・と寂しそうによそおう。オスカーはそんなアリアを心配そうな顔で見つめた。
(オスカーの表情を見てるのが一番面白いわ。カインもなぜかこっちを見てるけどあいつはどうでもいい)
「忙しいのに来てくださって光栄です。このネックレスもとても気に入りましたありがとうございます。
まるでオスカー様が私のほしかったものを知っているのかと思いました。それで・・・オスカー様」
ミエールがオスカーから貰ったネックレスを掴みながらお礼を言う。
「はい、気に入っていただけて光栄です」
(なにあれ・・・恋人へのプレゼントみたいじゃない!どちらも手放せないってことなの?悩んで悩んで悩ませて最終的に私を選んでくれれば・・・)
アリアが黒いオーラを放ちながら笑っていると、
「お父様、これ・・・私が作ったんです」
ミエールは刺繍入りのハンカチを父に渡す。
「これは素晴らしいな!」
「まだ上手くはないですが早くお渡ししたくて・・・」
「なにを言っている!今までの中で一番の作品だ!」
「本当に美しいな」
「お兄様まで・・・」
(私のハンカチはどこにいったのよ。こんなに短時間で作るとは想定外ね・・・ミエールの作品にしては上出来ね)
「とても上手ね美しいわ」
「お姉様に褒めていただけるなんて光栄です!お姉様に認めてもらえるってこんなにも嬉しいことなんですね!」
(なんだって?あんなウソの演技バレバレよ)
「皆さまにもハンカチをご用意しました。受け取っていただけると嬉しいです。あっお姉様に渡す分がないです・・・」
(だろうと思った)
「僕が急に来たものだから・・・よかったらこちらを」
「大丈夫ですよ~そちらはお客様へのプレゼントなので」とアリアが言う。
(あの人に渡した分はきっと予備ね。どうせ渡す気なんてないくせに)
「どうしましょう・・・」と困った様子をみせるミエールにアリアは
「いいのよミエール、私たちは毎日会えるじゃない。だからいつでも大丈夫よ。私が受けとる頃にはきっともっと上手くなっているかもね。そうよね?ミエール」
(いくら幼くても・・・やり方が幼稚すぎなのよ)
「もちろんです。期待に応えられるよう頑張ります」
「あなたはなんでもできるから問題ないわ」
(あんたはなにをしたって周りが味方につくんだから努力なんていらないのよ)
******
その後ミエールからハンカチをもらうことはなかった。
(あれからしばらく経つけど・・・自慢するために渡すかと思いきや違うのね)
(ミエールはあんなに器用ではないなにか方法があったのかしら・・・調べてみよう)
******
「うっ・・・!」
「冬だから水がすぐに冷えるわね。高級な薬草をたくさん入れてるから肌にいいのよ」
「冷たくても大丈夫です!またこうして呼んでいただけただけでも・・・」
アリアはアニーを部屋に呼び、顔のお手入れをしてあげていた。
(やっぱりね・・・この前のこと後悔してるのかしら?そうだと思ったわ)
「近いうちにサラ先生との集まりがあるんだけどあなたにも来てもらうからよろしくね。しばらく呼ばなかったことに対するお詫びではないわ。参加する‟権利”を与えるの」
(権利・・・!)
アニーはアリアの言葉に目を輝かせる。
「それよりミエールからハンカチをもらっていないんだけど集まりに持っていきたいのよね。どうやってあんなに上手くなったのかしら?気になるわ・・・」
「えっと・・・先生の教え方がとてもお上手で・・・私もそばで聞いていてとてもわかりやすかったです」
「なるほどね」
(先生か・・・これも砂時計のせいで変わったのね)
「現在は結婚されて海外にいらっしゃるそうです・・・
・・・・・・先生がベースを縫ってお嬢様が上から・・・縫っていって・・・」
「そうだったのね。
信頼関係を深めてからって言ったわよね私の侍女としてこれからもよろしくね」
アリアはアニーに黄金のブローチをつけた。
「はい・・・!お任せくださいお嬢様!」
アニーはブルブル震えながら喜びをあらわす。そんなアニーをみながらアリアはクスッと笑った。
第23話 感想
オスカー攻略も上手くいきそうな感じですねwwwそして侍女のアニーも攻略できたかんじですが、ミエールからの指示で動いていないといいなと思いました。