第13話 ネタバレ
(夢でもすごく・・・幸せ。お願い・・・永遠に・・・覚めないで!)
ジンジャーはイザナと踊る幸せな夢を見ていた。しかし、
「おまえも死ぬことになるだろう」
夢の中のイザナが不穏なことを話しジンジャーは真っ青な顔で目が覚めた。
(夢よただの夢!はぁ・・・これも全部あの本のせい。ラブストーリーが急にホラーになるんだもん!夢はやけに生々しいし!)
(・・・でも私が小説の内容とは違う行動を起こしたからレラジエが死ぬこともなくなったかも?私って命の恩人じゃん。小説の中では悪役なのにこんな美徳を施すなんてね・・・
まぁ・・・憎き敵だけど死んでほしいってわけじゃないし。それはそうとイザナも哀れな人生を歩んでる。子供の頃に塔に閉じ込められただけじゃなく本の中でまであんなに悲惨な結末を迎えるなんて・・・
あの優しい笑みが狂気に染まるのは見たくない・・・そうよねせっかく美徳を施すのならイザナの人生をハッピーエンドに向かわせる方法を探してみよう!)
「サラ『幽閉された王子と侯爵令嬢』あの本どこで買ったか覚えてる?」
******
「あった!ここです!」
(ふ~ん・・・思ってたのと違う。本もたくさん取り扱ってるしきれいだわ)
「ここですお嬢様」
「ねぇこの間ここでこの本を買ったんだけどこの本のこと詳しく教えてもらえない?」
ジンジャーは店員に『幽閉された王子と侯爵令嬢』の本を見せた。
「えぇっ!これは!この本はすでに禁書に指定されております!イザナ陛下が即位された今このような本が出回るわけがありません!誰かに見られると大変なことになりますよ!」
「なるほど・・・この本の著者について何か知ってる?」
「さあ・・・著者のことはわかりません。私は中間に業者を挟んで本を仕入れているだけですので」
「業者?」
「その男のことも名前しか知りません。ハメル ハメルと名乗っていました」
******
(ハメル・・・ハメル・・・ハメル・ブレイ!私の記憶が正しければ!たしかこの辺りに・・・あった!)
******
【本の内容】
ハメル・ブレイ突如現れた祖父の弟子を名乗るその男はレラジエの目にはどこか奇妙に映った。長身で肩幅が広く雨雲のような灰色の髪は少し長く固そうで・・・高い鼻にかけられた丸い眼鏡の奥の男の目つきは非常に鋭かった。
「はじめましてハメル・ブレイと申します」
******
(中間業者と脇役の男の名前が同じただの偶然?)
「ジンジャー入るわね。今お外に何が待っているかわかる?」
「さあ・・・」
「宮殿の馬車!!イザナ陛下がジンジャーを宮殿にご招待なさったの!」
(呼ぶとは言われたけど・・・こんなに早く?)
「宴でも一緒に踊ってたし気に入ってもらえたんじゃない?ママときめいちゃう!」
(ママ・・・残念だけどそういうんじゃないと思う・・・)
******
「うわぁ~!!」
(宮殿の馬車ってゴージャス!こんなのに乗れる日がくるなんて)
「はじめましてジンジャー・トルテ様 私はイザナ陛下の補佐官です」
「あっどうも んっ?」
長身で肩幅が広く雨雲のような灰色の髪は少し長く固そうで・・・高い鼻にかけられた丸い眼鏡の奥の男の目つきは非常に鋭かった。
「・・・ハメル・ブレイ?」
第13話 感想
魔法がある世界だし謎めいた本なので何かあると思っていましたが、本屋に普通に売られていたことに驚きですね。
中間業者と脇役の男の名前が同じでただの偶然なのか?しかもハメルが登場です。