第21話 ネタバレ
「肌はきれいなのに・・・そばかすのせいでもったいないわ・・・」
アリアはミエールから借りた侍女のアニーに化粧をする。
「どう?」
「すごい・・・」
「そばかすを隠しただけできれいでしょ?」
「わぁ・・・」
「よかったら使う?」
「えっ・・・?」
「私これ使わないのよ」
(近くにいてわかった・・・この子はミエールの化粧品をこっそり使っていたのね。庶民の化粧品であんなハーブの香りがするものはない)
「これを全部・・・」
「持っていっていいわ」
(宝石の時もそう・・・まだ物欲を隠せないのね)
「私はそばかすもないしお化粧もあまりしないからついでにこれもあげるわ」
アニーの髪にリボン形のピンをアリアが付ける。
「お嬢様・・・!」
「私の侍女になった記念にね本当はジェシーにあげたような・・・」
「あのブローチ・・・」
「ジェシーが黄金のブローチをつけてくれているのね?あれは私が日頃の感謝を込めて渡したのよ。あなたにはまだ早いけど
だってあなた・・・なにもしてないじゃない?」
「変な意味に捉えないでね。まだ信頼関係が築けていないってことよ~私の侍女ならこれからたくさん貢献してくれるわよね?せっかくだしティーパーティーの練習でもしない?」
アリアがアニーに「ここに座って」と案内する。
「えっ!?いいんですか・・・!?」
******
「初めてにしては上出来よ!」
「ありがとうございます」
(貴族になれるとでも思って練習していたのかしら?幼い頃から貴族の家にいたから自分も貴族だと勘違いしてるとか?アニーのようにずる賢い子は嫌いじゃないわ。でもそれは・・・私の味方である確信があればの話
私ならあなたの夢を叶えてあげられるのよ)
「手首の力をぬいて指先を使うのよ。いい感じね」
「私が作法を習っても・・・いいのかなぁ?」
(さっきからずっとニヤけてるくせに・・・)
「なにを言ってるの?未来のことなんてわからないじゃない?私のお母様のようなことが起こるかも・・・だからわからないわ。そうでしょ?」
「・・・!」
(私の味方になればあんたの夢なんて簡単に叶うのよ。この先ずっと侍女のままでいたくないでしょ?はやくわかりなさいよ・・・)
「・・・・・・お嬢様あの・・・お茶を淹れかえてきてもよろしいですか?」
「・・・・・・もう休むから別にいいわ。ジェシーと交代してもらえる?」
「かしこまりました・・・」
アニーが部屋から去り、アリアはベッドに寝そべりため息をつく。
(まだ早かったか・・・今はまだ・・・ミエールには及ばないのね)
******
(時間が経つのはあっという間ね・・・もうミエールの誕生日か毎回思うけどあの量のプレゼントはどこからなの?立派に包まれた箱があんなにたくさん気に入らない・・・別にミエールに嫉妬しているわけじゃない。
ただ・・・オスカーから返事がこない!些細なことでイライラするわ!約束は守るタイプなのにここまで遅いとは)
屋敷に馬車が来たのでアリアはオスカーが来たかもと思い出迎える。しかし、馬車から降りてきたのはミエールの父だった。
(誕生日に合わせて来ただけか・・・我が子を愛してるのね私にプレゼントを用意してくれただけで一歩前進だわ。
幸せそうね。なおさら楽しみだわ復讐を成しとげる日が!お母様と私に犯した罪は一生忘れない。いつまで笑っていられるかしらね?私がその卑怯な本性を暴いてみせる。
ロースチェント一家を潰してやるわ)
(今日の誕生日パーティーは砂時計を使って楽しもう。気を引き締めて計画を進めることは・・・)
「こんにちは!ミエールお嬢様はじめましてフィノ・レインと申します。レインと呼んでください」
ミエールの父の横に立つレインと名のる男がミエールに挨拶をした。
「・・・・・・」
(誰なの・・・?初めて見たんだけど!過去と違うじゃん!なんか面倒なことになってる気が・・・)
第21話 感想
アリアが初めて会ったレインは、砂時計の修理に行った時に出逢ったアースの手先かなと思いました。それか、アリアが過去の情報をもとに義父に情報を渡しているならそれ関係の男かなとも思いました。もしかすると、義父のすすめでアリアの婚約者になるのかな?