第20話 ネタバレ
「あなたが思うより・・・私はあなたのことが気にいっているわ」
「お嬢様・・・?」
「なに?私があなたをいじめていたとでもいうの?」
「それは・・・」
「・・・・・・そうだったわね。以前の行動は認めるけどいまはそんな自分を変えようと努力しているの中身はまだ未熟なままかもしれないけど・・・でもこれだけは知っていてほしいわ。あなたを一番頼りにしてるわ」
アリアはジェシーの胸元に金のブローチを付けた。
「お嬢様!これは・・・?」
「あなたへのプレゼントよ。いままでのお詫びと反省の意味を込めてそれはあなたのものだから身につけてくれると嬉しいわ」
(そのほうがほかの侍女たちの目に入るしね)
「それから宝石店に行ってくれる?」
「宝石店ですか?」
「そうよボタン一つでタイマーを設定できる時計を作ってほしいの持ち歩けるものでお願いね」
「あっはい!急いで行ってまいります!」
(早いわね・・・ブローチがそんなに気にいったのかしら?砂時計はジェシーに箱ごと持たせればいいかしら・・・)
ジェシーが宝石店に向かうのをアリアは部屋の窓から見送る。ジェシーが向かった後、サラが屋敷に来た。
(ブローチもらってはりきったのかとおもいきやサラがくるから急いだのね。誰がいいかしら?もうじきミエールが侍女を使って悪だくみをする・・・この際味方にできそうな侍女がきてくれれば。あの時の侍女がいない・・・)
「あなた」
「えっ?」
「私の侍女が外出中でいないからお茶を用意してくれる?」
「かしこまりました」
(あなたはミエールの側近なのね~)
******
「わぁ・・・ジェシーが入れてくれるお茶と味が違うのねもちろん褒めているのよ」
「ありがとうございます」
「侍女が戻ってくれるまでいてもらえるかしら?私には侍女が1人しかいないのよ・・・」
「大変恐縮ですが・・・ミエールお嬢様から仕事を任せられているのでほかの侍女と代わってもよろしいですか?」
「そう・・・」
(いま何時・・・)
アリアは時計を見てからミエールの侍女に質問する。
「質問があるんだけどミエールの侍女のなかにそばかすの子がいるわよね?」
「はい」
「名前は?」
「アニーです」
「年はいくつ?」
「15歳です」
「ここに入ってどれくらいかしら?」
「たしか5年くらいだと思います・・・」
「そうけっこう若いのね」
「一番年下なのかしら?」
「はい侍女のなかで一番年下です」
「その子は忙しい?」
「そこまではちょっと・・・」
「わかったわ。最後にあの砂時計を取ってもらえる?取ったら戻っていいわ」
「はい」
ミエールの侍女から砂時計を受け取ったアリアは砂時計をひっくり返して時間を戻す。
「忙しいなら仕方ないわ代わりの侍女をお願いできる?一番年下の子でいいわよ。仕事も少なそうだし・・・いいかしら?」
******
「先生今日はいつもと違うことがしてみたいです」
「違うことですか?」
「先生の社交界デビューもあるので予行練習しませんか?」
「それはいいですね~」
「まずはあいさつを・・・ダンスも踊るのでピンヒールを履いて練習しましょう。足を痛めてしまうので練習が必要なんです」
「楽しみです~」
サラ先生と一緒に踊った。
「アリアは私よりダンスのセンスがありますね」
「練習した甲斐がありました」
「あとはマナーを身につければ完ぺきです」
「そうですか」
(セクシーに踊りすぎたかしら?あのころのクセが・・・)
「手をこちらに相手をひっぱらず中心を2人のあいだにおきます。こんな感じです。ターンをしたら相手の目をみてアイコンタクトをとってください。あいさつの前に扇子をあおぐことがあるのですが・・・」
ミエールの侍女アニーは踊る2人を見て社交界に憧れをいだく様子だったが、扉が突然開き驚く。
「お嬢様・・・遅れて申し訳ございません!」
宝石店へお使いに出かけていたジェシーが戻って来たのだった。
「早かったわね。そんなに急ぐ必要はなかったのに・・・水でも飲む?」
「そんな・・・」
「頑張ったのが伝わってくるわ」
「お水を飲んだほうが・・・」
「では・・・いただきます!」
「あなたはもう戻っていいわ」
「では・・・」
アニーは部屋から下がる。
(もうアピールする相手はいないから無理する必要はないわね。あの子にうまくアピールできたかしら?)
その頃、アニーは「あんなダンス・・・社交界なんて・・・」とブツブツ独り言を言っていた。
******
「伺いましたよ。私の侍女がお手伝いしたと・・・よろしければ私の侍女についてもらいますか?」
(そうやって私を監視させていたのよね~オスカーの話題は絶対に出さないんだから!)
「ありがとうそれじゃあ・・・雑用を頼める若い子をお願いしていいかしら?」
******
(・・・って言ったのは私だけどこんなじっくり見られるとは思ってなかった・・・)
アリアが部屋で本を読んでいるとアニーがジーッと見つめてくる。そんなアニーにアリアはお茶を頼んだ。
(さすがミエールの侍女・・・!幼い頃から仕事をしてる分テキパキ動けるのね。あれ・・・?この香りって・・・悪い子ね)
何かに気づいたアリアはクスッと笑う。「お嬢様?」アニーは不思議に思い尋ねた。
「アニー私に・・・顔をみせてもらえる・・・?」
アニーの顎を指でクイっと持ち上げて見つめるアリア。
第20話 感想
ジェシーに壁ドンでアニーには顎クイで攻めるアリアでしたwww
ミエールからアニーを借りれたわけですが幼い頃から仕えるアニーがアリアの味方になってもらえるのか・・・ミエールの罠のような気もしました。