第11話 ネタバレ
温かい心がこもったプレゼントを渡して謝り、優しい一面があることをアピールするようにとビクトールからアドバイスをもらったカイロスは手作りのイヤリングを用意すると話した。
宣言通り、夜遅くにイヤリングを作るカイロス。
「え??カイロスがボルシェイク令嬢のためにイヤリングを作ったですって?そんなの今まで作ったことないのにものすごく無理してるんじゃないですか?」
歴史の本を手に取るビクトールは「そうとは限りません私は少し違う方向に考えてみました」
【ビクトールの予想】
バレリーに手作り感あふれるイヤリングとさらに謝罪の手紙が届く。手紙には『悪かった』と書いてあった。
・・・なにこれ?公爵のことをこんな風に言っていいのかわからないけど・・・ちょっと可愛いかもと思うバレリー。
「こうやって人間的な一面をアピールできるんじゃないかと思います」
だけど現実は
「なんて綺麗なイヤリングなんでしょう!」とエイミーが言い、「きっととてもお似合いですよ」とシニアが続けて話す。
「このイヤリング・・・本当に公爵がご自分で作られたんですか?」とセバスチャンにバレリーは尋ねた。
「はいボルシェイク様を思いになりながら作られました!」
「私にじゃなくてセレ・・・いえ他の人のために作ったんではなくて?」
バレリーの言葉にセバスチャンは「そんなわけはありません!」と笑い、「殿下からのメッセージです」と手紙を渡してきた。
手紙には『近いうちに会いに行く』とある。
(予告状?)
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「いったいどうしてそんな分からないメッセージを・・・」とセレニアは話す。
忙しいからすぐには会いに行けない。だが謝罪は直接すべきだ
「こういう意図だったんでしょうけど・・・」とカイロスの一面を知るセレニアは言う。
「そうですよ怖いと思う相手から完璧な手作りのプレゼントをもらったら」とセレニアの意見に同意するビクトール。
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感動するどころかむしろ気味が悪くて鳥肌が立つ・・・
手紙を見てどういう意味なの?と思うバレリーはエイミーに「このイヤリングは見えないところにしまって・・・・・・じゃなくてジュエリーボックスに大事に入れておいて・・・」と話した。
「お嬢様大丈夫ですか?ここに来てからとてもお疲れのようです。今日も少しお休みになったほうが・・・」とエイミーが心配する。
「ううん もう大丈夫よ私、分かっちゃったの
この家で昼間からベッドで寝ていると危険な目に遭うことが」
知らぬ間に横で寝ていた皇太子や、眠る自分のすぐ横で見つめていた公爵を思い出しバレリーは言う。
エイミーは「は??」と反応し分からない様子だった。
「ただ部屋に籠もっていれば安全ってわけではないのよ。各種とんでもないイベントがやってくるんだから」
騎士が謝罪にくる血圧上昇イベントや公爵の手作りイヤリングが届く恐怖心倍増イベントなども思い出してブツブツ言うバレリーにエイミーは「さっきからずっと何をおっしゃってるんですか??」と話す。
今日も公爵がやってくるかもしれない。今日くらいは休みたいと思うバレリーだが『僕を拒否するとはいい度胸だ』と話す公爵を想像する。
「というわけで補佐官の人がくれた書類も見ながらちょっと気分転換してくるわ」
(発想の転換だ。むしろ向こうが私を探すのが大変なくらい出歩いた方が安全かもしれない。今日は自分の足で飛び回ってみよう。私はセレニアみたいにただ立ってるだけで次元移動する能力はないんだから)
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屋敷にある図書室まできたバレリーだったが、偶然セレニアと遭遇してしまった。驚きでバサッバサッと書類を落としてしまうバレリー。セレニアは「あらまぁ書類がバラけてしまいましたね。あの・・・大丈夫ですか?」と落ちた書類を拾って渡してくれた。
しかし、恐怖でかたまるバレリーは今すぐ消えたいと思うのだった。「じっ次元移ど・・・・・・・じゃなくてその」と言葉にするバレリーに「今何て言いました?」ドスドス近づくセレニア。「いえ ただの独り言・・・独り言ですからっ!!」とりあえず逃げるバレリーを追いかけるセレニア。
(・・・違う今こうやって逃げることに何の意味があるの?私の存在はすでにあの時知られちゃったのに)
考え直し、立ち向かうことにしたバレリーは振り返る。
「一緒に少しお話しませんか?」と誘うセレニア。
「ボルシェイク令嬢ですよね?お話はうかがってます」
「・・・私もセレニアさんのことはいろいろ聞いてました」
「そうですか・・・」
「「あの」」と言葉がかぶり、お先にどうぞと譲り合う2人。
(昔から猟犬の目に留まったときはいきなり逃げたりすると獲物だと認識されてしまうので手のひらを見せながらできるだけ落ち着いて歩いて逃げろと言われている
落ち着いて話をしなければ)
第11話 感想
公爵は以外にも器用だったようですね。思いは伝わらなかったようですが・・・ついにセレニアと対決?です。誤解が解けるといいですね。